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2007年10月11日

【進化する中国人の胃袋】 (少し長くなりますが、お付き合いくださいね)

世界経済を猛烈な勢いで牽引しはじめた中国経済。その経済力を維持・拡大するため、中国は世界中から石油を始めとするエネルギーをかき集めていることが最近問題になっているが、数億人ともいわれる中流以上の中国人たちの胃袋も世界中のあらゆる食品を物色し始めてさまざまな波紋を投げかけている。

日本との関係でいえば、魚。日本食ブームに乗ってマグロなどの寿司、刺身食材で日本の商社が世界各地で中国企業に買い負けていることが最近話題になった。そしてアメリカとの関係では・・・・・そう、牛だ。

豊かになれば例外なく肉の需要が爆発する。その真っ只中に今中国はあるのだ。

【カウボーイ登場】

10月8日号のタイム誌「グローバル・ビジネス」で、 「オープン・レンジ」("Open Range")と題した内モンゴル自治区に進出する米畜産会社Western Cattleの中国進出の話が取り上げられている。

裕福になった中国人たちの巨大な胃袋を満たすために、米国流の大規模畜産の手法を持ってカウボーイが教育的指導に中国に乗り込んできたのだ。

Open Range : To satisfy China's hankering for steak, American cowboys are teaching Inner Mongolians a new way to raise cattle

中国では1990年代のマクドナルドの進出以来、急激に肉の消費が盛り上がり過去5年での肉の消費量は31パーセントも伸びているのだ。(因みにその間、アルゼンチンは6%、米国▲2.4%、日本▲8.6%)

こんなビジネスチャンスを逃す手はないとばかり、様々な投資優遇措置で外資を惹きつける内モンゴル自治区政府にアメリカの「カウボーイ」企業が颯爽と進出してきたのだ。このままいけば、来年にも牛肉の不足が顕在化すると言われる中国では救世主的存在なのかもしれない。

Comsumption has risen 31% in the past in the past five years alone, according to the U.S.Depatment of Agriculture. "The beef market is expoloding," says Western Cattle president Jim Mueller. Owing to soaring demand, China could face beef shortages as early as next year.

【退却なき前進】

しかし、問題もある。進出当初はそれなりの人手も必要となり、内モンゴルの雇用創出にも役立つかもしれないが、もともと米国流の大規模農業の代表のような畜産手法は、コストを最小限にするために人手をかけないのが特徴だ。さらには、区都フフホト(Hohhot)周辺の小規模畜産農家への打撃もこれから顕在化するだろう。もっと言えば、中国は環境対策が遅れているため、今後大規模畜産による伝染病の可能性、環境汚染などの影響も心配されるのだ。それらを避けるためには、今後、自治政府によるインフラ整備のための大規模投資が不可欠だろう。

Without investment, "the booming beef and cattle industry would mean the destruction of the community and environment they rely on, "says Wen.

グローバルなビジネスチャンスを狙って、様々な分野で外資の進出が加速する中国。マネーを追うスピードはピカイチの連中ばかりだ。ここでも弱者を置いてきぼりにしない手当てを早めに打っておくことが後々に傷口が大きくなるのを防ぐことになると考えるのは僕だけだろうか。中国だけではない。インドでも東南アジアでも日本でも問題の本質は同じなのだ。  


2007年10月10日

【瀬戸際の勝利】

やっとソフトバンクらしい勝ち方を見せてくれました。

『福岡ソフトバンクが土壇場で雪辱! 日本シリーズ出場権をかけたパ・リーグ・クライマックスシリーズ第1ステージ第2戦・千葉ロッテvs.福岡ソフトバンクが9日、千葉マリンスタジアムで行われた。初戦を落とし崖っぷちに立った福岡ソフトバンク打線が序盤から計6得点と爆発。投げては先発の杉内が7回3失点の粘投を見せ、8対3で福岡ソフトバンクが千葉ロッテを下し、対戦成績を1勝1敗のタイとした。10日の第3戦は、引き分け以上ならば千葉ロッテが第2ステージ進出となる。

 第2ステージ進出には連勝しか道がない福岡ソフトバンクは初回、主砲・松中の右中間フェンス直撃のタイムリー二塁打、大村の犠牲フライで2点を先制。2回には1死満塁のチャンスから本多がタイムリーを放つなど、一挙4得点で制球に苦しむ千葉ロッテ先発・小林宏をマウンドから引きずり下ろした。さらに4回に松中、5回にはブキャナンがソロ本塁打を放ち、試合を優位に進めた。打線は15安打8得点。松中と大村が3打点、1番に入った川崎は猛打賞の活躍を見せた。』(10月9日付スポーツナビ)


【冴えがなかったシーズン】

今年のソフトバンクホークスは、シーズン中はあまり冴えが見られずファンとしてはイライラが募ってました。前半で大量得点しても終了間際に逆転を許したりする場面が多くて、ちっとも安心できなかったのです。

このクライマックスシリーズの第1戦がまさにそういう試合でした。3点取って先行したかと思って安心していると、あれよあれよという間に逆転されて負け。

そういうイライラをようやく昨日は晴らしてくれました。松中もホームラン、小久保もヒット。やっぱりこの二人が活躍しないとホークスは駄目ですね。

いよいよこれでロッテとの勝負を決めるときがやってきました。今日の先発はロッテが成瀬、ホークスがスタンドリッチ。瀬戸際から逆転勝利へ。今日も勝利への執念を見せてほしいですね。王監督、頼みますね。  


2007年10月09日

【思わぬ波紋】

セーラー服を最初に導入した学校ってどこだかご存知ですか?

このニュースを読むまでは僕も知りませんでした。

『女子生徒のセーラー服の起源は京都かそれとも福岡か--。学校法人「平安女学院」(京都市)が「日本で初めてセーラー服を導入したのは1920年の当校だ」と発表し、波紋を広げている。これまでは1921年導入の学校法人「福岡女学院」(福岡市)が発祥とされてきた。福岡女学院は「今のスタイルはうちの制服が起源だ」と、一歩も譲らない構えだ。
 学生服大手「トンボ」(岡山市)が、制服資料の展示施設をリニューアルするため学校史などを調べたところ、1920年に平安女学院がセーラー襟の付いたワンピースの洋服を制服に採用していたことが判明した。平安女学院は「導入時期は学内で知られていたが、日本初だとは確認していなかった」と説明する。

 同学院は1875年に開校、幼稚園から大学まで運営している。セーラー服採用の詳しい経緯は不明だが、「当時は入学希望の理由となるほど好評だった」という。制服はその後ブレザーに変わったが、昨年、中学でセーラー服が復活した。

 一方、福岡女学院は1885年開校。宣教師の校長が発案し1917年からセーラー服導入を検討、21年に導入した。スカートにプリーツが入る今の一般的なスタイルに近い形だった。80年代に「日本初のセーラー服」と報道され、入学パンフレットにも「日本初」と記載されている。女優の牧瀬里穂さんや歌手の広瀬香美さんらが卒業したことでも知られ、03年には玩具大手「タカラ」(現・タカラトミー)が同学院のセーラー服姿の「リカちゃん」のキーホルダーを発売し話題を呼んだ。』(10月6日付毎日新聞)


【エスカレートする発祥論争】

セーラー服といえば日本では女子中高生の代名詞のようになっていますが、もともとは19世紀半ばにイギリスを起源として考案された水兵の軍服が起源です。日本海軍もイギリスに倣って少し遅れて採用したそうですが、僕らのなじみのあるセーラー服といえばやっぱりポパイやドナルドダックのセーラー服姿ですね。

さて本題の女学生のセーラー服。学生服メーカーがうっかり調べたばっかりにお得意さん同士の口論にまで発展してしまったというお粗末。こうなったからにはもうメーカーさんの手には負えないでしょう。学問的な論争というよりも、学校のPRのためという色彩が強いようですから、お得意さんである女学校や一般の人達の判断にまかせるしかありません。

【落ち着きどころ】

と思ってウィキペディアを見てみたら、早い! もう平安女学院と福岡女学院の論争の落としどころというか、どちらも納得できそうな「中庸」の説明が掲載されていました。

『日本で女子学生の制服としてセーラー服が採用されたのは1920年、京都府の平安女学院で、とされている。これはセーラー服の襟の部分が付いた洋服で、現在一般的に見られるようなセーラー服は福岡県の福岡女学院で時の校長エリザベス・リーが、活動しやすい体操服として自身がイギリス留学中に着ていたセーラー服をモデルに、1917年に太田洋品店の太田豊吉に制作依頼した。運動ができるよう動きやすくするため、上着だけで3年を費やした。1920年、上着を完成した後、動きやすいスカートの開発に行き詰っていたが、太田豊吉はスカートにプリーツをつけることを思いつきセーラー服上下が完成し、福岡女学院で運動着として使用され1921年に制服として採用された。同年、愛知県の金城学院でも制服としてセーラー服が採用されている。セーラー服が全国に広まった背景には、男子学生が陸軍の軍服に強く影響された折襟の学生服を採用していたため「それならば女子には海軍の軍服を」という理由があったとも言われている。』(出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』)

もともとの起源はやはり平安女学院だけども、今のセーラー服の形として導入したのは福岡女学院だったという説明が「落としどころ」ではないでしょうか。僕は博多の人間なので福岡女学院に肩入れしたいところだけど、証拠が出てきた以上は平安女学院の言い分もわかりますね。ここで度量を示すほうが後々のためになるのではないでしょうか、福岡女学院さん。  


2007年10月08日

【半年ぶりの相島】

昨日は半年ぶりに僕のフィッシング・フィールドである新宮の相島に釣行。気のおけない友人とのフィッシングほど楽しいものはありません。face02

昨日の天気予報だと、波が2メートルで南東の風とのことで台風15号の影響が少し気がかり。でも午前5時ごろの新宮港は凪。心配なさそうです。
そして、5時20分新宮港発の福昇丸に10人前後が集まり、いざ出陣!!

期待に胸膨らみます。この瞬間が釣りの醍醐味のひとつなのです。大化けの釣果になるかもしれないし、坊主かもしれないし。後は運を天にまかせて・・・・

【小あじ好調、2番波止へ】

先ずは漁港の波止で餌の小あじ釣り。入れ食い状態ですぐに30尾くらいになりました。今日は何かが起こる予感・・・・楽しみだなあ。

そしていざ2番波止へ。僕ら二人だけで独占だ。

次々とヒラメの置き竿を三本ずつ置いて、戦闘準備完了! 後はひたすら待つだけです。

一番波止にあがった人がヒラメゲット! 続いて僕の友人がヒラメを射止めました。少しのあせりと期待。しばらくして僕の竿にも大きな当たり。

な、な、なんと、その竿には50センチ超のスズキが・・・・ ああ、よかった。坊主は脱出です。icon22

目当てのヒラメは及びませんでしたが、まあ、いいか。ヒラメは次回に期待してとりあえず今日は釣果があったことに感謝です。 充実の休日となりました。  


2007年10月07日

【牛糞からバニラ?】

世の中にはいろいろなことを考える人がいるんですね。牛糞からバニラ?興味は沸きますが、それだけにとどめたい発明です。

『人を笑わせ、考えさせて科学への興味を誘う研究などに毎年贈られる「イグ・ノーベル賞」の化学賞を日本人研究者の山本麻由さん(26)が受賞し、ハーバード大学で4日授賞式が行われた。日本人の同賞受賞は12件目。ウシの排泄物からバニラの香り成分「バニリン」を抽出した研究が対象。山本さんは「受賞は廃棄物の活用法を知ってもらえるよい機会。ただ、この方法で抽出したバニリンは食物には向かないかも」と語った。
 山本さんは国立国際医療センター研究所の研究員だった04年に今回受賞した抽出方法を開発した。牛糞1グラムに水4ミリリットルを加え200度で60分間加熱すると、1グラムあたり約50マイクログラム(マイクロは100万分の1)のバニリンが抽出できた。』(10月5日付毎日新聞)


【日本人で11人目】

このイグ・ノーベル賞は「裏ノーベル賞」とも呼ばれていて、米国の「ユーモア科学研究ジャーナル」誌の編集長、マーク・エイブラムス氏が91年に創設したそうです。これまでに日本人は11人が受賞しているとのことで、あの発明家のドクター中松氏や犬語翻訳機「バウリンガル」の開発者なども受賞していてなかなかユニークです。

※日本人受賞者の一覧(ウィキペディア)

 今年の受賞は10分野で▽平和賞(米空軍ライト研究所、敵兵同士を恋に陥らせ士気を削ぐ化学兵器の研究)▽言語学賞(スペイン、逆に話された日本語とオランダ語をラットが区別できないことを発見)▽経済学賞(台湾、銀行強盗捕捉装置の発明)などがあり、山本さんは見事にその中の化学賞を受賞されました。

授賞式では山本さんに同賞の今年のテーマ「ニワトリ」のトロフィーが手渡され、山本さんの名が冠されたアイスクリームを壇上のノーベル賞学者らが試食したとのこと。他の受賞者はいい迷惑だったのかも。

それにしても思わず笑えるユーモアたっぷりのイベントですね。  


2007年10月06日

【キッコーマン快挙】

米議会が粋なはからいをキッコーマンにしようとしているとニュースが飛び込んできました。

『今年米国進出50周年を迎えた醤油メーカー、キッコーマンによる米経済や食文化への貢献を称えようという決議案が米議会に提出されている。どちらかと言えば日本叩(たた)きが目立った米議会が、個別の日本企業を称賛する決議案を提出するのは異例だ。
 「キッコーマン感謝決議案」は9月7日、米下院に共和党のラングレン(カリフォルニア州)、ライアン(ウィスコンシン州)両議員が提出した。9月20日には上院で同じ内容の決議案がウィスコンシン州のコール、ファインゴールド両民主党議員から提出された。
 キッコーマンが、両州の生産拠点を通じて米経済の活力向上や、しょうゆ、照り焼きソースなどを通じた食文化に貢献してきたことや、社と1000人の従業員が続けてきた教育・文化活動を評価し、50年の米国での活動を称賛する内容。』(10月3日付産経新聞)


【地道な普及活動】

キッコーマンと言えば日本人なら知らない人がいないくらい有名な醤油メーカーですが、そのキッコーマンが今年アメリカ進出50年を記念して一大キャンペーンをしているのは知りませんでした。

※ アメリカ進出50周年記念特別サイト(http://www.kikkoman.co.jp/50th/

産経新聞でも紹介されているとおり、キッコーマンは1957年6月、サンフランシスコに販売会社を設立して50年。日本企業として戦後の米国進出の草分け的存在であり、米国を含めて海外での醤油類販売量は約15万1000キロリットルに上るそうです。そして、今では米国でも「ソイソース」としてスーパーやレストラン、家庭の食卓など米国人の食生活に定着、最近の日本食ブームで一段と存在感を増しています。

そこには米国でのキッコーマンの地道な普及活動があったのであり、その実績が今回米国議会を動かそうとしているのでしょう。すばらしいことですね。

日本の国会もたまには与野党のつばぜり合いばかりだけでなく、例えばコカコーラやらジョンソン&ジョンソンなど日本国内で素晴らしい活動をしている米国企業に感謝決議をするような度量があってもいいと思いますが、みなさんどうお考えですか?  


2007年10月05日

【ブームの予感】

あのプチプチとはじける感触がいつでも暇なときに体験できたら・・・・というプチ願望を満たしてくれる玩具が大ブームの予感です。

『バンダイ(上野和典社長)は10月1日、キーチェーン玩具「∞(むげん)プチプチ」が、9月22日の発売から9日間(9月末時点)で、販売数30万個を突破したと発表した。この好調を受け、販売目標の100万個を上方修正し、08年3月までに200万個の販売を目指す。

 「∞プチプチ」は、プチプチをいつまでも気持ちよく潰せることに特化したキーチェーン玩具。表面の気泡の粒を指で押すとプチプチとはじける感触を味わえ、内蔵スピーカーから出る効果音で、本物のプチプチを潰しているような感覚が楽しめる。』(10月2日付BCN)


【アイデアの勝負】

この玩具、なかなかツボを心得ているようで、プチプチ感覚が楽しめるだけではありません。プチプチしていると100回に1回の割合で「おなら」「セクシーボイス」「ドアのチャイム」「犬の鳴き声」などの効果音を聞くことができる遊び心を盛り込んであるそうです。そりゃ、楽しそうですよね。

今まさにそういうユニークさが受けて20-30代の男女を中心に、子どもから大人まで幅広い世代が購入していて大ヒットの予感。この玩具、カラーはホワイト、ブルー、ピンク、オレンジ、ブラックの5色で、価格はいずれも819円とお手ごろです。

みなさんも買ってみませんか? ただし、プチプチ遊び、会社ではやめたほうがいいかも。  


2007年10月04日

【マルチ商法に強制捜査】

またしてもマルチ商法の司直のメスが入った。

『独自の電子マネー「円天」を売りに巨額の資金を集めた健康寝具販売会社「エル・アンド・ジー(L&G)」(東京都新宿区、波和二(かずつぎ)会長)が違法に出資を募った疑いが強まり、警視庁と宮城、福島両県警の合同捜査本部は3日、出資法(預かり金の禁止)違反容疑で同社本社や役員宅など約60カ所の家宅捜索を始めた。電子マネーを使った集金システムが強制捜査を受けるのは初めて。約5万人の会員から1000億円前後を集めたとされる集金システムの全容解明を図る。
 同社は、有名演歌歌手や大学教授など著名人を広告塔にイベントを開き集金していた。捜査本部は、詐欺容疑での立件も視野に捜査を進める方針だ。』(10月3日付毎日新聞)


【悪の連鎖】

マルチ商法の定義はいろいろあるが、一般には「加盟者が新規加盟者を誘い、その加盟者がさらに別の消費者を誘引するという連鎖により自己増殖する仕組みである」というのがわかりやすい。この仕組み自体は違法ではないのだが、この仕組みを使って、加盟者が新規加盟者を獲得すれば一定の報酬が得られるようにして、ダウンと呼ばれる配下の加盟者を継続的に勧誘・加入させ、かつ一定額以上の商品購入を継続して行わなければならないのが現実で、加盟者が期待する様な安楽な生活ができるほどの報酬を得られる者は、加盟者全体のごくわずかにすぎないところに問題が出てくるのだ。

今回強制捜査の対象となった「エル・アンド・ジー(L&G)」「100万円を預けて会員になれば、3カ月ごとに9万円の配当金(年利36%)を支払う」と会員を巧みに勧誘し、全国約5万人から1000億~1500億円のカネを集めていたのだ。

それにしてもいつもながら思うのは、過去にもマルチ商法やマルチまがい商法で被害者が多数出て、それらを取り締まるための「特定商取引法」といった法整備までなされているというのに、何故これほどの被害が出るまで「放置」されるのかということだ。被害を最小限にとどめるためには、当局にあっては「悪の連鎖」が始まる芽の段階で取り締まるとともに、消費者側ももっとリスクに対する備えを日ごろからしておくべきではないだろうか。

【広告塔の問題】

そしてもうひとつ、広告塔となった有名人たちの道義的責任だ。日刊ゲンダイの記事にそのあたりのことが詳しい。

『L&Gは、04年頃から昨年まで、会員や出資者向けに無料コンサート「あかりコンサート」を開催。開演前に投資にまつわる説明会を設け、巧みに勧誘していた。出演者は細川たかし、キム・ヨンジャ、長山洋子、中村美律子、伍代夏子、瀬川瑛子、小柳ルミ子、小林旭、松崎しげるなど。歌謡界の大御所たちが“広告塔”だったわけだが、同社との関係が気になるところだ。
 細川たかしが所属するKazu企画は「わかりません」の一点張り。長山洋子の事務所は「昨年の古い話で、出演の事実はわかりません」ときた。瀬川瑛子サイドは「ウチは昨年2回しか出ていない。もっと出ている人がいるのに名前が出るのは心外」と言っていた。どこもかしこも一目散に逃げている感じだ。弁護士の紀藤正樹氏はこう言う。
「平成電電や近未來通信など類似した事件が社会的に問題となっているタイミングで、有名人による被害拡大につながる活動の道義的責任は大きい。少なくとも謝罪を発表するか、出演料を救済費にあてるといった行動をとるべきです」』(9月30日付日刊ゲンダイ)


紀藤弁護士が言うとおり、芸能人や有名人はもっと自分たちのスポンサーを見る目をもって仕事を請けるべきではないか。あまりにも無節操と言われても弁解の余地はないだろう。もっと社会全体で「悪い」マルチ商法を監視する姿勢をしっかり持つべきだと思うがどうだろうか。  


2007年10月03日

【変化の兆し】

11万人もの沖縄市民の心の叫びがようやく政府を動かし始めた。

『来年度から使用される高校日本史の教科書検定を巡り、沖縄戦の集団自決に「日本軍の強制があった」とする表現を文部科学省が検定意見をつけて修正させた問題で、同省は修正された記述の見直しが出来るかどうか検討に入った。

 先月29日に沖縄県で開かれた、検定意見撤回を求める沖縄県民大会に11万人が参加したことを受けた対応。

 教科書検定で修正された記述が見直されることになれば、極めて異例だ。

 渡海文部科学相は1日、報道陣に対し、「沖縄の人たちの気持ちも考え、何をするべきか、何をできるかを考える必要がある」と述べ、できるだけ早い時期に結論を出す考えを示した。』 (10月1日付読売新聞)


【文部官僚の暴走】

この沖縄の集団自決に関する教科書検定ほど大幅な右旋回をしていた安倍政権のもとで文部官僚の暴走が目に余った事例はないのではないか。出てくる報道を見る限りでは、本当に憤りを感じることばかりだった。

つい先日も読売新聞は、今回の教科書検定意見はほとんど文部官僚が下書きをしたものだったと報じていた。にもかかわらず沖縄の人達が11万人ものデモまで組織する前には、「検定結果は政治的な動きでは断じて動かせない」と文部科学省は沖縄の人達を牽制していたのだ。そんな頑なで不誠実な姿勢に変化が出てきたのは、沖縄の真摯な声に加えて、安倍政権から福田政権に変わったことも関係しているかもしれない。

【今後も監視が必要】

銭谷真美文部科学次官も1日の記者会見で「重く受け止める。今後、沖縄県側の意見を伺って対応したい」と語ったそうだが、沖縄の人達もそして僕たち市民も決して気を緩めてはいけない。歴史の真実を正確に後世に伝えていくためには我慢強い戦いを続けていく必要があるのだ。決して一部の官僚の姑息なやり方に気を許してはいけない。

今回の政府の方向転換の姿勢を今後ともしっかり監視していきたいと思う。  


2007年10月02日

【地球の頂点で】

北極海の氷が予想を上回るペースで溶けている。IPCC(国連の気候変動に関する政府間パネル)の予測より30年以上も早いペースで溶けており、このまま推移すればこの夏はIPCCの第4次報告書の予測値である2040~2050年時点の氷の面積にまで縮小したと見られるそうだ。

北極の表面を覆っていた氷が縮小すると何が起こるか?もちろん、全世界の気候に大変動をもたらす。そしてもうひとつ、忘れてはならないことがある。

それは人間の欲望がむき出しになることだ。地球の頂点で、人間と人間、そして国家と国家の欲望が渦巻いているのだ。

【資源争奪戦】

10月1日号タイム誌のカバーストーリーは、「北極を所有するのは誰か?」("Who Owns the Arctic?")と題して、地球温暖化で予想を超えるスピードで氷が溶ける一方で、今まで厚い氷に阻まれて近づけなかった北極海に眠る資源をめぐって壮大なゲームが熱を帯びてきていると報じている。

Who Owns the Arctic? As global warming shrinks the ice to record lows, the global battle for resources heats up

北極点(North Pole)の周辺の国家は、ロシア、アメリカ、カナダ、グリーンランド(デンマーク)、そしてノルウェー。特に、ロシアが8月2日に北極点の海底に国旗を立てるなど活発な動きをしているため、カナダやアメリカといった国々の神経を逆なでしている。

中でもカナダは激しく反発している。カナダの高官は、「今は15世紀じゃないんだ! 世界中を回って、ただ旗を立てて、『これはわれわれの領土だ』とは何事だ。」とロシアを批判する。

"This isn't the 15th century. You can't go around the world and just plant flags and say, 'We're claiming this territory.'"

【パワーゲームの果てに】

世界の石油資源の10%~25%が埋蔵されていると言われている北極海。その資源争奪戦の鍵となるのは国際法だ。

国際条約上は200海里(370km)の排他的経済水域が境界線となっているものの、その周辺海域が自国の大陸棚の上にあることを証明できれば350海里(648km)にその境界線を拡大できるのだ。

したがって、これから境界線の確定を巡る国家間の争いはハーグの国際司法裁判所に持ち込まれていくことになるだろう。そのときまでに有利な条件を作っておこうとする各国の政治的な動きは益々活発になるに違いない。

地球温暖化が人類全体の生存をも脅かしかねないという事態の中で、国家間の貪欲なパワーゲームばかりが進展する。こんな現実に不安を覚えるのは僕だけだろうか。  


2007年10月01日

【海の温度】

今年の暑さは例年になく異常だが、海の世界も様変わりしているようだ。

『海水温の恒常的な上昇の影響で、大阪湾に「異変」が起きている。特に猛暑だった今年は、湾内の海水温が例年に比べ約1・5度も高い状態が続いており、沖縄近海など亜熱帯付近の海に生息する大型のアジや、通常の倍以上の大きさに育ったイシダイなどが確認されている。水産関係者は「このままでは湾内の環境や魚の分布図が大きく変わってしまう可能性がある」と危惧(きぐ)している。

 大阪府水産技術センター(岬町)によると、岬町沖の大阪湾で今年8~9月、主に沖縄近海の暖かい海に多く生息し、成魚は1メートル80センチにもなるアジ科のロウニンアジや、リュウキュウヨロイアジを確認。さらに、これまで紀伊半島沖などの湾外でしか確認されていなかったサザナミフグや、オオバウチワエビが湾内で初めて見つかった。

 このほか兵庫県尼崎市沖で通常の倍以上の体長約37センチものイシダイが釣れるなど、魚の生育状況にも異変がみられ、紀伊水道など湾外に多いハモが、数年前から大量に水揚げされている。』(9月29日付産経新聞)


【深刻な事態】

温暖化の影響は九州の近海でも広がっていて、先日も熱帯や亜熱帯の広い海に生息する「ナルトビエイ」というエイが大量に見られるようになり、豊前海のバカガイや有明海のタイラギなど二枚貝が食べられる被害が広がっているという報道がテレビであっていた。

報道によると、『今年は冬も海水温が例年(平均約9度)より約1・5度高く、夏も8月上旬こそ気温が上がらなかったが、下旬以降は上昇。例年、水温が下がり始める9月下旬でも例年より1・5度ほど高いという。』 魚は海水温に敏感なので南方の亜熱帯の魚が海水温の上昇に乗って北に上がってきているのだろう。もう人間の見えないところでは後戻りできないくらい生態系が激変していると見られる。

【打つ手なし】

地球規模の変化には漁業関係者も打つ手はなく、頭を抱えているようだ。これほどの異変が人間の目にも見えるようになっているということは、地球温暖化は後戻りできないくらいの地点(ポイント・オブ・ノーリターン)に来ているのだろう。

少なくとも海に関しては、僕らは生態系の激変を受け止めて、その中で生きていくしかないのだ。ごく近い将来、僕の釣る魚もアジやキスから熱帯魚に変わっているのかも知れない。本当にショッキングだ。  



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