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2008年04月28日

【パイロットの決断】

アメリカの国内線から熟練パイロットがいなくなる?そんな心配が出てきているという記事が4月21日号タイム誌「国際線出発」("International Departures")というタイトルで掲載されているのが目に留まりました。その記事によると、米国の国内線の労働環境に幻滅したパイロットたちが海外に逃げ出して、米国の航空会社はパイロットの奪い合いになっているとのこと。

International Departures ---- Disillusioned U.S. airline pilots are heading overseas, leaving domestic carriers scrambling

いったい、アメリカの航空界で何が起きているのでしょうか?

【パイロットの大量のシフト】

端的に言うと、アメリカの航空会社からアラブやアジアの航空会社へ大量にアメリカ人パイロットが移籍しているということです。
そのひとつがドバイのエミレーツ航空。なんと、過去4年間に100人近いアメリカのパイロットがエミレーツ航空に移ったとのこと。これは凄い。

なぜか?もちろん待遇の違いです。合併や経営統合を繰り返し、従業員は疲弊、トップは次々と変わる米国の航空会社に比べ、エミレーツ航空等の航空会社は給与はいいし、休暇もたくさん、送り迎えはリムジン、さらには経験あるパイロットとして尊敬も集める。こんなに違えば誰でも移りたくなるでしょう。こんな好条件でアメリカのパイロットを雇おうとしているのはインドや中国も同じです。

【航空界のグローバリゼーション】

米国は民間も軍事も含めて、もともと世界のパイロットの養成場所として有名なのですが、教える側のパイロット経験者も教わる側の若手パイロット候補者も人手不足になっているのです。

The U.S. is still the world's pilot training ground, but the pool of young talent is drying up.

では今年12千人と見込まれる米国の新規パイロット需要はどうやってさばいていくのでしょうか?しわ寄せは、大手航空会社からパイロットを引き抜かれるPinnacleやComairといった地方航空会社に行こうとしています。

地方航空会社は窮余の策として、航空学校の新規卒業者の手当ての増額や経験のあるパイロットのフライト時間の削減で調整しようとしているのです。あるいは現有パイロットの超過労働につながって空の安全に支障が出る可能性も出てきます。

グローバリゼーションの進展がもたらした思わぬ事態に米国の航空業界は四苦八苦しているのです。果たして、日本の航空業界に波紋が広がることはないでしょうか。日航さん、全日空さん、よろしく頼みますね。

  




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海や山、自然が好きな九州男児です。あらゆる機会をとらえて、時代の変化をいつも感じていたいと思っています。
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