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2009年02月27日

【カートカンって何?】

ニュースの中にある耳慣れない言葉が目に入ったのでご紹介します。

 『ヨーロッパ生まれの紙製飲料容器「カートカン」がスーパーマーケットなどの店頭に増えてきた。原料にスギやヒノキの間伐材など国産材を使用し、飲み終えると牛乳パックのようにリサイクルできるのが特徴だ。飲むことで日本の森林保全に貢献できる商品として、にわかに注目を集めている。

 カートカンという名称は、紙の包装を意味する「カートン」と金属缶の「カン」を合わせた造語だ。原料には、人工林を間引きする際の間伐材や、製材所で材木を切った後に残る端材(はざい)を含む国産材を3割以上使用している。また、内側にアルミ箔(はく)を使う従来の紙パックよりもリサイクルが簡単で、牛乳パックと同様にトイレットペーパーなどに再生できるという。

 カートカンの普及を推進する「森を育(はぐく)む紙製飲料容器普及協議会」の世木田大介さんは「国内の間伐材を有効に活用することで、二酸化炭素を吸収する元気な森が育ち、地球温暖化防止にもつながる」と説明する。現在は全国約50の飲料メーカーが、コーヒーや果汁飲料など約150種類を発売している。』(2月19日付産経新聞)


【温暖化防止と森林保護】

記事にあるように、カートカンとは「カートン」と「カン」を合成した造語です。僕は見た事はありませんが、このカンをアルミ缶に代えることによって日本の森林の国産材が使用でき、しかもリサイクルがしやすく、地球温暖化防止にもつながればこんな素晴らしいことはありません。

日本の森林の荒廃の最も大きな原因のひとつは、輸入材との競合などで商業的に植林をしても採算が合わなくなっていることにあります。そういう面で、カートカンの利用は日本の森林の商業利用の普及促進に役立つ可能性があるのです。

また、アルミ缶は大量の石油を使って作られるため、その過程でたくさんの二酸化炭素を出す製品です。これに取って代わることも非常にいいことですね。

しかし、この記事によれば、カートカンを国内で製造する凸版印刷(東京都台東区)によると、昨年度の生産量は約1億7000万本。需要は右肩上がりに伸びているものの、アルミ缶やスチール缶など500ミリリットル以下の小容量飲料全体の1%にも満たないというのも現実です。


【これからの普及に期待】


ただ、希望も持てます。平成8年に国内メーカーで初めてカートカンを採用したポッカコーポレーション(名古屋市)には、環境への関心が高まっている最近では消費者だけでなく、自治体や企業からの問い合わせが増えているそうです。

また、昨年から、UCC上島珈琲やサントリーなど大手メーカーが相次いでカートカンを採用するなど、大手メーカーも消費者の敏感な環境意識の高まりや自社の環境保護への取り組み強化からカートカンの採用を増やし始めているようです。

こんな素晴らしい取り組みにはどんどんエールを送って、もっと普及を促して生きたいですね。
  



2009年02月26日

【タイム誌への投稿】

2月16日号タイム誌の記事「大きな断絶」("A Great Divide")について2月15日に投稿しましたので公開します。

It is sad to know that building a fence along the vast miles of borders with Bangladesh on the part of the Indian government is the only solution to stop flooding immigrants and terrorists from Bangladesh to India

I can understand that there may be differences of religion, economic disparities and perception gap of terrorist threats between the two countries as you pointed out in your article. However, before completing a long fence surrounding Bangladesh as the mere solution, Indian governments should place the top priority on helping her neighbor stand its own feet economically by boosting her own economy and accepting more immigrants as one of the newly emerged economic superpowers in Asia.

《拙訳》

インド政府がバングラデシュとの長大な国境線にフェンスを張り巡らすのが、バングラデシュからインドに洪水のように流入する移民やテロリストを防ぐ唯一の解決策だとしているのは悲しいことだ。

貴記事が指摘しているように、二国間には宗教の違いや経済格差、そしてテロに対する認識のずれがあることは理解できるが、バングラデシュを取り囲む長いフェンスが完成する前に、インド政府はアジアの新しい経済大国のひとつとして、自国経済を活性化させ、より多くの労働者を受け入れることで、隣の国が経済的に自立できるように手助けすることを優先すべきだ。
  


2009年02月25日

【国境と国家】

国境が明確に規定されたのは、1648年にそれまでのヨーロッパでの宗教戦争に終止符を打ち、ドイツで締結され、国際法の元祖となったウェストファリア条約だと言われている。それ以降、主権国家は明確な領域を持つこととされ、地球の連続的な広がりを有界化して、国境線が地表上にひかれることとなった。今僕たちは、その国境線をグーグルの世界地図で世界の隅々まで見ることが出来る。

しかし、地図の上に描かれる一本の線は、人間同士、国家間に様々な悲劇や軋轢を生んできた。日本は幸いにして海に囲まれているため、ほとんどの国境が「海」という自然物で区切られている。唯一、過去の戦争で失った北方4島などが国民に国境の存在を感じさせるくらいだ。

その国境の現実を今、インドとバングラデシュはひしひしと感じているという記事が目に留まった。

【テロと安全】

2月16日号タイム誌の記事「大きな断絶」("A Great Divide", Page 22-27 TIME magazine dated on February 16,2009) に、インド政府が今、テロの脅威から自国の安全を守るという大儀名分を掲げて、バングラデシュとの2500マイルにも及ぶ国境線をすべてフェンスを張り巡らそうとしていると紹介している。

India is building a fence along its 2,500-mile border with Bangladesh to contain what New Delhi perceives to be external threats to the nation's security.

2500マイルといえば、キロに直すと約4000キロ。福岡から東京まで距離にして約880キロなので、その4.5倍もの距離がある。これほどの長さの国境を写真のようなフェンスで取り囲んでいるのだ。はたして、物理的な構築物でインドは本当にテロの脅威から解放されるのだろうか。はなはだ疑問だ。

【宗教と経済の狭間】

インドとバングラデシュを隔てているのは、歴史的に国境線よりも宗教の方が重要だ。インドはヒンドゥー教、バングラデシュはイスラム教である。インドはIT産業や鉄鋼など様々な分野で経済的な離陸を遂げているが、一方のバングラデシュは国家としての歴史も浅く、毎年洪水に悩まされるなど気象条件も厳しいことから経済的にも離陸が遅れ、国民は貧困に喘ぎ、政治も不安的で、テロの温床ともなっている。

かつては4百万人もの難民を受け入れていたインドも、最近のムンバイでのテロなどを背景に、バングラデシュからの人の流入に神経質になっているのだ。

しかし、物理的な壁をいくら強固にしても本当の解決にはならないだろう。なぜなら、生活のための密貿易による人の往来はそう簡単には止められないからだ。例えば、インドでは神聖視されている牛が、バングラデシュとの間の密貿易取引の半分近くを占めていて、貧困に喘ぐバングラデシュの人達にとってフェンスがあろうとなかろうと、生きるためには牛の売買などを継続するために、国境を越えざるを得ないのだ。

インド政府は、先ずバングラデシュとの間の密貿易を減らす努力や、同国との経済協力などアジアの新興経済大国としての責任を果たすことが重要ではないだろうか。みなさんはどう思われますか?
  



2009年02月23日

【ミシュランの格付け】

観光に関しては、パリ好きの日本人と日本文化礼賛のフランス人は相思相愛のようですね。

『レストランの格付けガイドで知られる仏タイヤ大手ミシュランが3月16日、観光地格付け案内「緑のガイド(ギド・ベール)」の日本編(仏語、初版1万部、定価19.9ユーロ=約2350円)を初めて発売する。フランス人の好奇心をわしづかみした星三つの観光スポットとは--。

 「緑のガイド」は1926年創刊の伝統ある旅のガイドブック。仏北西部ブルターニュ地方編を皮切りに、08年現在307編が発刊されている。レストランガイドと同様、観光地を星の数で格付けしているのが特徴で、アジアではタイとシンガポールに次いで日本が3カ国目。「緑のガイド」の簡易版である「ボワイヤジェ・プラティック」の日本編はすでに発売されているが、「緑のガイド」はその国の文化に重点を置き、格式も高いとされる。』(2月21日付産経新聞)


【それぞれの格付け観光地】

このミシュラン「緑のガイド」にある格付が気になるところなので、いつくか記事の中から紹介します。

三つ星・・・京都、富士山、日光、屋久島、高尾山、川平湾(沖縄・石垣島)

二つ星・・・浅草、六義園、築地市場、石垣島(沖縄)、竹富島(同)、西表島(同)

一つ星・・・浜離宮、深川江戸資料館、妻籠、水納島(沖縄)


もともとこのガイドに紹介されている日本の観光地は三つ星が56カ所、二つ星が189箇所、一つ星が309箇所もあるので上に挙げたくらいではフランス人の好みまではわからないのですが、沖縄の島々がそれぞれの星の中に入っているのは意外ですね。

この記事によれば、今回の出版のためにミシュランは日本で暮らすフランス人10人と本国スタッフ1人、日本人1人の計12人のチームを編成、日本国内200カ所を訪ね、印象深さ、歴史的遺産価値、自然の美しさ、もてなしの質など9項目を分析し、都市だけでなく史跡や公園、博物館なども3ランクに分けて星の数で評価したとのこと。その人達の沖縄に対する評価が高かったのでしょう。

【日本好きのフランス人】

この本の編集長であるテフォ氏によれば日本について「近年、日本からフランスにアニメやオタクなど幅広い情報が入り、興味を持つ人が増えた」とフランスでの日本人気を分析。円高の心配にも「日本に行く人は強い目的意識を持っている。旅費が多少高くなっても影響はない」とのことだそうですが、実際に日本に昨年訪れたフランス人旅行者は14万7600人で、一昨年に比べ7%以上増えたと記事は伝えています。

それほど、日本に興味を持つフランス人。単なる西洋人の東洋趣味だとしても、実際に来てもらって生の日本を見てもらうことからすべては始まると思えばうれしいことですね。そういえば、ミッテラン元大統領も福岡の九州場所に以前来てたのかな。

  



2009年02月20日

【日本語版オープン】

そもそもカラオケのソーシャル・ネットワーキング・サービスサイトがあるなんて知りませんでした。

『ヨーロッパや米国で会員数を伸ばしている、無料カラオケのソーシャル・ネットワーキング・サービスサイト『レッドカラオケ』の日本版サイトが、13日(金)にオープンした。同サイトはパソコンにマイクをつないで自分の歌を録音することができ、ほかのユーザーへの公開も可能。また、録音したファイルをランキングに投稿して、ユーザー同士で歌声を競い合うこともできるという。

 同サイトが無料で提供している楽曲は全3万曲。うち日本語曲は1万曲となるが、宇多田ヒカルや浜崎あゆみ、倖田來未といった人気アーティストの最新曲や定番曲を用意。また、パソコンにカメラがついていればビデオ録画も可能だという。

 全世界で70万人のユーザーがいる『レッドカラオケ』は、スペインの会社が運営。日本進出にあたって同社は「日本はカラオケの発祥地であり、技術革新の温床。日本サイトを立ち上げることは、日本に対してのお礼を言うこと」とコメント。“1人カラオケ”や、動画サイトに替え歌やオリジナル曲をアップする人が増加している昨今、同サイトは大きな注目を集めそうだ。』(2月14日付オリコン)


【無料で練習】

これは便利です。face02日本語曲だけで1万曲も入っていれば個人で楽しむには十分だし、パソコンとマイクさえあればカラオケ専用の機器を用意する必要もないし、バッチリ自宅で練習が出来ますね。

それに運営しているスペインの会社の弁がいいですね。カラオケ発祥の地である日本へのお礼だなんて・・・・ちょっと信じがたいですが、素直に受け止めましょう。

みなさんもこのパソコン・カラオケで一曲歌ってみませんか?

「レッドカラオケ」 → http://jp.redkaraoke.com/

  



2009年02月19日

【手書きの良さ】

「手書き」ってやっぱりいいですよね。

 『社内文書や年賀状、ラブレターもメールで、という時代。ところが若い世代を中心に、ノートなど「手で書く」文房具の人気が高まっているという。

 算数、社会など科目ごとにマス目が工夫され、発売開始から約40年間、全国の小学生に使われてきた「ジャポニカ学習帳」。富山県高岡市の「ショウワノート」の製品だが、昨春、服飾大手「ビームス」(東京・新宿区)などの手でおしゃれな装いに変身した限定品が販売された。

 表紙は、国際的評価の高いアーティストによる風景や外国車などの写真。「ビームスの服を着る大人も、子供時代はジャポニカを愛用したはず」と話すショウワノートの担当者は、「ジャポニカ学習帳を手に会議に出席、というビジネスマンもいる」と驚く。限定販売は好評のうちに終わり、同社は「大人にも満足してもらえるノートづくりにつなげていく」と自信を示す。』(2月14日付読売新聞)


【高まる人気】

そう言えば「最近、若い人の間でちょっとした手書きノートが流行ってきているな」と感じていました。例えば、「情報は一冊のノートにまとめなさい」といった本がベストセラーになって、その本が提唱しているA5版のノートが店頭で品切れになったり、「東大合格生のノートは必ず美しい」といった本の影響で、ノートの書き方が流行ったり、目的は違うものの手で書くことの重要性が若い人達の間で見直されている証拠なのかもしれません。



実際、丸の内本店での文房具の売り上げは2004年から毎年、前年を5%以上上回っているとのことで、ノートやメモ帳などは売り上げは前年比約15%増の年もあるそうです。

そして今回の記事。「やっぱり、そうか」と思った次第です。しかも、その記事の冒頭に出てきたのが「ジャポニカ学習帳」。これも懐かしくもあり、楽しくもあり、こんな学習帳をビジネスマンも使っていると言うのも何かほのぼのとしていいですよね。

携帯メールやパソコンでの文書作成、どれも便利で手放さないのですが、誰もが同じ画一的な文字になってしまいます。それに比べると、やはり本人の手書きというのは、その人の顔やしぐさまで思い起こさせてくれるような人間のぬくもりが感じられて捨てがたいものがありますね。  


2009年02月18日

【トヨタ王国危うし】

トヨタの本丸、豊田市がピンチに陥っている。

『トヨタ自動車の本社がある愛知県豊田市は13日、09年度当初予算案を発表した。トヨタショックの影響を受け、法人市民税が前年度当初予算比426億円減の16億円となり、96.3%の大幅減になった。額、率とも過去にない落ち込みを記録。16億円の法人市民税は、40年前の1969年度と同水準になった。

 一般会計は同67億円減の1645億円(3.9%減)だが、取りすぎた税の還付金が190億円に上り、実質予算は同257億円減の1455億円(15.0%減)となる。

 歳入のうち市税収入は、同426億円減の809億円(34.5%減)。歳入不足を補うため279億円ある財政調整基金から206億円を、特定目的基金から76億円を取り崩し、市債を同77億円増の107億円発行する。

 また、行政改革として、職員や市民の海外派遣の凍結や例年2億円を計上していた美術館の美術品購入費をゼロにするなどして、60億円を捻出(ねんしゅつ)する。』(2月13日付毎日新聞)


【未曾有の危機】

これほど急激な減少を経験するのは豊田市にとっても初めてだろう。それほどトヨタ自動車への依存が進んでいたということだ。順風満帆のときには問題は水面下に隠れて見えないが、顕在化してくるとそのスピードは速いものだ。

これはトヨタのお膝元である豊田市だけの問題だとみくびってはいけない。日本の産業を代表するトヨタ自動車の赤字というのは、豊田市だけではなく、とてつもないショックを日本全体に与えているし、同市と同じような問題がこれから日本各地で起こるだろうと予想されるからだ。

というのは、日本の経済基盤の大きな部分は限られた数の大製造業が輸出によって獲得する外貨によって賄われているからだ。それらの企業を支えているのは膨大な数の中小企業なのだが、それらの企業への依存度が高いという意味では日本全体が豊田市と同根の問題を抱えていると言えるのではないだろうか。

現在の危機を乗り越え、将来の危機の芽を摘み取るためには、国家としての産業のリスク分散も図っていく必要があるだろう。みなさんはどう思われますか。

《参考》

・ 今期赤字企業、東証1部で240社=主要企業に巨額計上相次ぐ (2月9日付時事通信)
  



2009年02月17日

【難局続くビッグスリー】

年末は米政府からのつなぎ融資で急場をしのいだものの、ビッグスリー三社(GM、クライスラー、フォード)の 1月の新車販売台数はそれぞれ49パーセント、55パーセント、39パーセント減少と大幅な落ち込みが続いている。優等生だったトヨタ自動車でさえ、1月の米国販売が同32%減と苦戦しているくらいだから今や「泥舟」とさえ揶揄されているビッグスリーにとっては未だ明るさは見えてきそうにない。

そんな中、ビッグスリーは必死で自社の車への消費者の回帰を目指すべくハイブリッド車電気自動車の開発を行っているようだが、そこにまたひとつ難題が立ちはだかっているとの記事が目に留まった。

【リチウム電池の原料国】


それは2月2日付のアジア版タイム誌に掲載されている「パワープレイ」("Power Play" by Jean Friedman-Rudovsky, page 33, TIME dated February 2, 2009)だ。

この記事のサブタイトルには、「自動車メーカーは、バッテリーで走る次世代のクルマのリチウムを必要としている。それはボリビアと交渉することを意味する。」とある。一体どういうことなのだろうか。

Automakers need lithium for the next generation of battery-driven cars. That will mean talking to Bolivia

そう、南米の貧しい国ボリビアには豊富なリチウム原料があって、その生産量は世界全体の半分近くにも及んでおり、このリチウム大国は「リチウムのサウジアラビア」(Saudi Arabia of lithium)と呼ばれているのだ。

しかし、ビッグスリー、そしてアメリカにとって厄介なのは、そのボリビアの大統領Evo Morales氏は、左派系でアメリカを嫌っていると言うこと、さらにはリチウムをはじめとする自国の天然資源の国家管理を望んでいると言うのだ。

【共生に向けた努力】

ボリビアが望んでいるのは、リチウムの採掘からバッテリーの製造までを一貫して行うリチウム・イオン・バッテリーの国営企業の育成なのだ。

What Bolivia is after is a largely, if not purely, state-run lithium industry from mining to manufacturing-including, the government hopes, a plant to manufacture lithuim-ion batteries.

そのため、ボリビア政府は今まで、安いリチウム原料だけを狙ってくる三菱やトヨタなどの海外の自動車メーカーも追い返しているという状況なのだ。

しかし、どんな産業も需要サイドと供給サイドがgive and take の関係で製品やサービスを安定的に提供していけなければ成り立たない。ボリビア政府もそこのところはわかっているようなので、これから地球温暖化防止のひとつの手段としても重要性を増してくる次世代カーの燃料の原料となるリチウムを巡っては、ボリビアとビッグスリー、そして他の自動車メーカーもお互いが共生していくための戦略を描いて前進していく必要があるだろう。

  



2009年02月16日

【暖かく乾燥した冬】

福岡の気温と湿度に異変が起きている。

『福岡の冬が「砂漠化」している‐。福岡市の10年ごとの平均湿度は50年前より7分の1ほど低下。今年1月19日には1月としては観測史上最小の湿度を更新した。一方、気温は高くなり、50年前は年20日あった「冬日」(最低気温が零度を下回る)も昨年はゼロ。同市の冬の高温低湿化傾向は九州の周辺地域より顕著といい、専門家は原因として、地球温暖化に加え、都市部の気温が周囲より高くなる「ヒートアイランド現象」を挙げている。

 この傾向が進むと、従来は越冬できなかった昆虫が生き延び、生態系のバランスが崩れるほか、人間の健康にも悪影響が懸念される。特に、乾燥を好むインフルエンザウイルスの感染力が強まる恐れもあるという。

 福岡市の1月19日の最小湿度は15%。データだけで見ると、この日はアフリカのサハラ砂漠周辺の地域よりも乾燥していたことになる。』(2月2日付西日本新聞)


【データと実感が示す異変】

西日本新聞によれば、気象庁のデータを基に計算すると、福岡市の50年前の1949‐58年の平均湿度は76・1%だったが、99‐2008年は10・6ポイント低い65・5%だったという。同期間の福岡県飯塚市や佐賀市は4・3‐6・7ポイントしか下がっておらず、福岡市の低湿化は目立つ。また、99‐2008年は「冬日」の年平均日数が3日しかなかったのだ。

僕らも実感としてこの異変を感じている。冬場の乾燥度は数十年前に比べればかなり低くなっているように感じるし、インフルエンザも流行しやすくなっているのではなかろうか。また、ここ数週間は0度近い日や雪が降ったりする日もあったが、これも久しぶりという気がする。データからも実感からも福岡市の冬の砂漠化は進行しているのだ。

身近なところから気候の異変は進行していること、その責任の一端を都市に住む僕たちは負っていることを忘れてはならない。
  


2009年02月13日

【黄色い空】

今年も「招かれざる客」が空からやって来ました。

『今年初の黄砂が11日、福岡、鹿児島両県などで観測された。北九州市の北九州空港では午後3時、視界が5キロまで落ち込んだ。

 国土交通省福岡航空測候所北九州空港出張所によると黄砂が観測された午後3時ごろ、空港から門司港方面がかすんで見えたという。同市小倉北区の市街地も雲に溶け込んだように黄色くかすんでいた。

 各地気象台によると同日午後、黄砂により鹿児島県内で視界10キロ未満、宮崎市内は時間によって視界5キロ未満まで落ち込んだ。長崎県対馬市でも観測された。』(2月11日付毎日新聞)


【憂鬱な季節】

昨年、黄砂が初めて飛来したのは3月2日。今年はそれに比べると20日近く早い飛来です。昨日は「マンマ・ミーア」を映画館で観て、外に出るとさっきまで降っていた雨がやんで周りの景色がぼんやりと霞がかかったようになっていました。

「これはもしかしたら黄砂じゃないかな。」・・・その不安が的中しました。

目もかゆるなるし、車の視界は遮られるし、ひどい時には洗濯物などにも黄色い粒子の細かい黄砂が付着してしまいます。

これから5月くらいまでは、この黄砂の飛来に悩まされる日が続きます。春というのに、本当に憂鬱な厄介者ですね。

《参考》

・環境省黄砂飛来情報のページ

・「黄砂、中国から今年初襲来!!」・・・2008年3月4日の僕のブログ記事
  


2009年02月12日

【豪州、燃ゆ】

あまりの規模の大きさにニュースを見てもなかなか実感が湧かないというのが正直な感想だ。

『オーストラリア南東部のビクトリア州で発生した大規模な山火事で、ブランビー州首相は10日、行方不明者が依然として50人以上いることから、死者は200人を超えるとの見通しを明らかにした。豪ABC放送が伝えた。警察は同日夜の時点で死者を181人と発表している。
 警察はまた、山火事の1部は放火の疑いが強いとみて専門の捜査班を設置。約100人の警官を投入し、山火事の原因究明に全力を挙げる構えだ。
 山火事は10日午後の時点でも25カ所で火災が続いており、約3900人の消防隊員が消火作業に当たっている。延焼面積は埼玉県にほぼ匹敵する36万5000ヘクタールに上り、1000棟近い家屋が焼失。家をなくしたり、避難したりしている住民は5000人以上とみられる。』(2月10日付時事通信) 


【熱波、放火、それとも?】

もともとオーストラリア南部のビクトリア州は最近、毎年熱波に襲われているのと、森林への放火も多いという。今年は特に熱波がひどく、先月末のメルボルンでは気温が3日連続で43度を超え、記録を取り始めた1855年以来、最高の猛暑連続日数を記録したとAP通信は伝えている。メルボルンで先月末行われていたテニスの全豪オープンが熱波のために中断したのを覚えておられる方も多いだろう。それほどひどい暑さなのだ。

それにしても延焼面積は埼玉県にほぼ匹敵する36万5000ヘクタールで、1000棟近い家屋が焼失、死者が200人を超える被害と言うのは想像を絶する山火事だ。全地球的規模の気候変動が、オーストラリアでも猛威を振るっているのだ。

人口がそれほど多くなく、森林の中に家が点在するビクトリア州でそれだけの犠牲者が出ているのだから、日本であれば数千人単位以上の犠牲者が出たのではなかろうか。

犠牲者の方々に心からお悔やみ申し上げるとともに、出来るだけ早く鎮火させ、災害の復旧に取りかかれるように願ってやまない。
  



2009年02月10日

【英語のエンターテインメント番組】

結構長い間続いたNHKの英語番組が姿を消すことになりました。

『英語番組にエンターテインメントを取り入れ話題を呼んだ「英語でしゃべらナイト」(NHK総合、月後11・0)が、4月改編でレギュラー番組から姿を消す。マンネリが理由で、秋からの放送が検討されている後継番組は、より硬派なニュースを取り入れるという。NHKは「オバマ大統領の就任演説が注目されるなど、時事性のある英語を身につけたいという視聴者の意識が高まっている」としている。

※写真は最後の司会者となる押切もえ

 「英語で-」は平成15年3月にレギュラー放送を開始したトークバラエティーで、スポーツ選手や芸能人など多彩なゲストの英語体験談、著名人への英語インタビューなどで構成。司会に若手タレントらを起用し、従来の語学番組にない娯楽性が人気を呼んだ。視聴率は最高7%台半ばを記録したが、ここ2年ほどは平均3・6%程度で推移してきた(関東地区、ビデオリサーチ調べ)。』(2月7日付産経新聞)


【様変わりした英語番組】

最近のNHKの語学番組の進化というか、変化には著しいものがあります。英会話のラジオやテレビの番組を聞いたり、見ておられる方はご存知と思いますが、インターネットとの連動やタレントを使った娯楽性など様々な実験が行われているといった感じです。特に「リトル・チャロ」という英語番組はテレビ・ラジオ・インターネットを融合した複合メディア教育番組となっています。僕は時々しか見たことはありませんが、NHKならでわのキメの細かさというか、民放ではここまでやらないだろうと思うほどいろいろな「実験」を行っているようです。

※写真は押切もえの前の司会者釈由美子

もちろん、「英語でしゃべらナイト」はそれにエンターテインメント性を加えた、娯楽番組として、押切もえや釈由美子といった美人司会者だけでなく、国内外の多くの芸能人が登場することもあって、多くの人が一度は見たことがあるのではないでしょうか。先日にはNHKとは決別したと思われていた、あの英語界の大御所、松本道弘先生も出演していました。

【イエス、ウイ・キャン】

そして硬派の英語伝道師である松本先生が出演したからかどうか、「英語でしゃべらナイト」は時事性のある、やや硬派の路線に修正して新しい番組として生まれ変わることになりました。

オバマ大統領の素晴らしい演説を自分も聞いてみたいという日本人が多いというのも、日本人の真面目さ、勤勉さを表しているのかも知れませんが、エンターテインメントに少しマンネリを感じ始めた日本人の英語学習者にとっては、ここらあたりでオバマ氏の言う「チェンジ」が必要なのかもしれませんね。

そして、知的刺激をさらに高める時事英語を学習すれば、英語の能力向上も夢ではない、「イエス、ウイ・キャン!」(Yes, we can.)となるかもしれません。どんな番組をNHKが用意しているのか、楽しみですね。



  


2009年02月09日

【驚くべき不遜】

政治と官僚のせめぎ合いを目の前で見せられるような光景だ。

 『「いま、そういってはなんだが、政権の交代ということも起こりうる-」

 人事院の機能を大幅に「内閣人事・行政管理局」に移管する政府の「工程表」決定に反対した谷公士(まさひと)人事院総裁が4日朝、TBSのテレビ番組に出演し、麻生政権交代の可能性に言及した。

 谷氏は、政権交代しても中立・公正を信条とする公務員の立場を説明したかったようだが、自民党内では「麻生内閣退陣で公務員制度改革の法案が『お蔵入り』することを期待しているのではないか」ともささやかれている。

 人事院総裁のテレビ生出演は極めて異例で、谷氏は出演理由を「人事院が設けられた意味を国民に申し上げる立場だからだ」と説明した。さらに「国会で決まるまでは意見を申し上げ続けることが私の義務だ」と述べ、法案策定や国会審議の場でも政府案に徹底抗戦する考えを強調した。』(2月4日付産経新聞)


【国家、国民不在】

とても国民のために、国家のために語っているとは思えない不遜な態度。麻生政権などどうせ直ぐに交代すると言い放つ人事院総裁の態度には正直驚きを通り越して、これが公僕と言われる官僚のあるべき姿なのかとあきれて物も言えなくなった。この総裁の言動がもしも日本の官僚諸氏の思いを代弁しているとしたら、日本の将来は本当に危ないと感じるのは僕だけだろうか。

同じ産経新聞の別の記事によれば、『谷氏は昭和39年に郵政省に入り、平成10~13年に郵政事務次官を務め、退官後は同省所管の財団法人「郵便貯金振興会」(現ゆうちょ財団)理事長へ天下り、同時期にさらに2つの財団法人の理事長を兼任。15年6月には有料CS放送の関連会社会長となり、16年4月に人事官に就任、18年4月から人事院総裁を務めている』とのこと。

また、 『長く折衝してきた甘利明行政改革担当相は「あんな不遜(ふそん)な官僚は見たことがない」と憤りを隠さない。甘利氏が話をしようとしても、谷氏は「事務方と同じ見解ならば会う必要はない」と面会を度々拒否。交渉過程では、甘利氏との電話での会話を無断で録音するなど抵抗戦術を続け、「われわれを総務省や財務省などと同列にしないでほしい」と言い放った』そうだ。

こういう人には、国民や国家のことなど頭にはないだろう。

【怒りの鉄拳】

どんなに偉くても、内閣総理大臣をも公然と愚弄することが人事院総裁には許されているのだろうか。日本のトップは曲がりなりにも総理大臣なのだ。

人間は追い詰められたときや、真剣勝負をするときにはその本性が現れるものだ。政治家と官僚の間でも時折、その本性が明らかになる場面がある。

国民である僕たちは、こういう政治と官僚のせめぎ合いの現場をしかと見て、記憶にとどめておく必要がある。そして怒るべきときには怒らないといけないとこの記事を見て心底思った。みなさんはどうお考えですか。
  



2009年02月06日

【二つのニュース】

二つのニュースが自民党の「あることに対する怨念」を示しているようだ。

『麻生首相は5日の衆院予算委員会で、郵政民営化で発足した日本郵政グループの4分社化体制について、「四つに分断した形が本当に効率としていいのか。もう一回見直すべき時に来ているのではないか」と述べ、経営統合などを含め、経営形態の見直しを検討すべきだとの考えを表明した。

 4分社化の見直しは、リスク回避のため郵便事業と金融を切り離すことにした民営化方針の根幹を揺るがすことにつながるため、波紋を広げそうだ。』(2月5日付読売新聞)

『国会では5日、衆議院予算委員会が開かれ、民主党は「かんぽの宿」が売却されることになった経緯が不透明だと追及した。

 民主党は、「かんぽの宿」について、04年には「あり方を検討する」としていた基本方針が、なぜ翌年には「5年以内の売却」に変わったのかをただした。

 民主党・川内博史議員が「誰がどの場で検討し、どのような経緯をたどってこの法律案に至ったのか」と質問したのに対し、鳩山総務相は「当時の郵政民営化担当相は竹中平蔵氏で、責任者としては、当時の竹中担当相」と述べ、竹中氏が責任者であることを明らかにした。』(2月5日付日本テレビニュース)


【本質を忘れた政治】

郵政民営化は何故必要だったのか、何故国民がここまで自民党に議席を与えてまで郵政民営化に賛成したのか。それはいうまでもなく、民営化される前の郵政が肥大化しすぎて、日本全体の金融の歪みを助長し、このまま放置すれば納税者である国民に大きな負担をかけるようになることが懸念されたからではなかったか。それを是正するのにベターな方法が各事業が自立できる分社化による民営化だったはずだ。

鳩山総務大臣も麻生総理も、そして与党も野党の政治家もその問題の根本をわざとはぐらかしているようにしか僕には見えない。今の政治家たちの間には、あの当時の真剣で、本質的な議論は全然見えてこないのだ。

なぜか?それは選挙が近くなるにつれて、郵政に絡む政治勢力として今でも残る全国特定郵便局長会から、全逓・全郵政といわれる労働組合まで広がる強大な「票」が欲しいからではないだろうか。そのためには、自民党も民主党も小泉時代の改革を否定して、郵政民営化を再び小泉前に戻す必要があるのだ。

あれほどのエネルギーを費やして、国民の圧倒的な支持を得てきた郵政民営化。これから法律に基づいて着実に実施していくべき郵政民営化を反古にしようとする政治家たち。

これを選挙目当てと言わずして、なんと説明するのだろうか。本当に愕然とするような政治状況だ。みなさんはどう思われますか?


  



2009年02月05日

【機長の自覚】

いくら好きでも仕事を忘れてはいけませんね。

 『全日空(ANA)グループのプロペラ機運航会社「エアーニッポンネットワーク」の機長(31)が、電子機器の使用が禁じられている離着陸時に操縦席から機外の風景をデジタルカメラで撮影していたことが30日、分かった。国土交通省ではこの日、航空法違反(安全阻害行為)に当たるとして同社を厳重注意。同社は機長を乗務停止にし、懲戒処分を検討している。

 問題の機長は昨年12月6日、高知発大阪行きと大阪発大館能代行きの便に乗務中、離陸や着陸の直前に高知空港の滑走路や大阪空港の全景などを撮影。撮影時、操縦は副操縦士が担当し機長は無線のやりとりを受け持っていたという。

 ANAでは、これまでに操縦席から写された写真13枚を確認。うち8枚は離着陸時に撮影されたもので、残る5枚は計器類の写真や上空から撮った雲の写真などだったという。機長はインターネット会員サイト「フェイスブック」に実名で登録、撮影した写真を自ら投稿していた。会社に外部から指摘があり今回の件が発覚したという。』(1月31日付スポーツ報知)


【飛行機の安全運航】

新聞報道によると、この機長は米国籍で、社内調査に対し、自らの行為を認めており違反だということもわかっていて、それでもあえてやったのは投稿した写真を「友人の機長らに見せディスカッションしたかった」と話しているそうです。

本当に驚くほかありません。エアコミューターが何人の乗客を乗せて運行しているのか詳しくは知りませんが、たとえ1人の乗客であってもその安全を守って運行するのが機長の仕事。その機長が運行規則違反を知りながら、それをブログで公表していたとは・・・・絶句。

※写真はサレンバーガー機長です。

つい先日の15日、アメリカ・ニューヨークで乗員乗客155人を乗せてハドソン川に不時着し、見事に全員の命を救ったサレンバーガー機長のことが頭をよぎりました。

二人の機長を比べれば、仕事のプロとしての自覚がどれほど違うかよくわかるのではないでしょうか。それが時として乗客の命にかかわるとなれば、見過ごすわけには行かないでしょう。よく反省してもらいたいと思います。
  



2009年02月04日

【静かなブーム?】 

京都で古くて新しいスタイルの結婚式が流行る兆しがあるという記事が目に留まりました。

 『茶道裏千家の「立礼(りゅうれい)」の作法にのっとり、カップルが茶を飲んで結婚を誓う「茶婚式」が京都市内で少しずつ人気を広げている。

 「京都で、神道の三三九度とはまた違う和風の式を挙げたい」と府外から訪れるカップルもある。

 発案者はTNCブライダルサービス(中京区・木村俊昭社長)と裏千家とかかわりの深い細見美術館(左京区)。木村社長は京都の神社での結婚式を多く手がけてきたが、意外に若者の間で〈和のスタイル〉へのあこがれが強いのを知り、同美術館の協力を得て2004年から始めた。』(1月31日付読売新聞)


【茶婚式って】

茶道裏千家の「立礼(りゅうれい)」というのは、明治時代初めに、正座が苦手な外国人でも茶がたしなめるよう考案された、いすとテーブルを用いた和洋折衷のお点前の作法だそうです。茶婚式でこの作法が採用されたのは、参列する親族には高齢者らもいるためだとのこと。畳に座るのが苦手な若者やシニアにも優しいこの作法、なかなかいいですね。

最近は出来るだけお金をかけずに自分たちのスタイルで結婚式を挙げるカップルも増えているそうですので、神前結婚同様、こんな古くて新しいスタイルの結婚式もさわやかで、しかも風情があっていいかも知れませんね。  


2009年02月03日

【苦しみの意見陳述】

こんなことが許されていいのでしょうか。3年前の事故を思い出される記事が目に留まりました。

『福岡市東区で2006年8月に起きた飲酒運転3児死亡事故で、業務上過失致死傷などの罪で懲役7年6月の判決を受けた元同市職員今林大(ふとし)被告(24)の控訴審の公判が30日、福岡高裁(陶山博生裁判長)であり、3児の父大上哲央(あきお)さん(35)と母かおりさん(32)が意見陳述し「被告は自分が犯した罪に向き合ってほしい」と訴えた。

 大上さん夫妻が法廷で意見陳述するのは1、2審を通じて初めて。哲央さんは「あなた(被告)は私が居眠り運転したと主張しているが断じてない。身内や友人からも私に過失があるのではと疑われた。虚偽の事実でぬれぎぬを着せる行為は開き直りで、反省が伝わってこない」と語った。

 かおりさんは、今林被告に追突され海中に転落した車両から幼児2人を救出し、3人目を助けようとしたら2人を抱いて泳ぐ夫が海に沈みかけたとし「今まで直面したことのない恐ろしい選択。私は夫のところに行き、1人をあきらめざるを得なかった」と話した。

 その上で「そのときあなた(被告)は現場から逃げ去った。自分の意思で飲酒運転し、事故後も救出せずに逃げた行為は殺人犯に等しい」と厳罰を求めた。

 続いて、検察側が最終弁論で被告について「正常な運転は困難な状態だった」と主張し、1審判決を破棄して、より刑の重い危険運転致死傷罪を適用するように求めた。

 公判後、大上さん夫妻は記者会見し、哲央さんは「今まで苦しんできた思いを訴えることができた。被告には本当に心から反省してほしい」と訴えた。次回公判は2月27日で、弁護側が最終弁論して結審する予定。』(1月31日付西日本新聞)


【痛ましい事故】

本当に痛ましい事故でした。3年前の2006年8月25日深夜。今でもそのときのニュース映像や、事故後しばらくして通った事故現場に捧げられていた花束などを鮮明に思い出します。

この事故をきっかけに飲酒運転への社会的な批判の高まりから、法改正が行われ危険運転致死傷罪なども作られたと記憶しています。

ただ、どんなに刑罰が重くなっても、3人もの子供さんを一瞬のうちに亡くしてご遺族となったご両親にとっては、苦しみを軽くするようなものではありません。子供たちは帰ってこないのですから・・・

【温かい故郷を】

にもかかわらず、この3年の間の裁判の過程で遺族でありながら様々な批判や中傷があったり、反省を示さない被告の態度に打ちのめされてでしょう、3児の父大上哲央(あきお)さんと母かおりさんのお二人は福岡にも住めなくなって、海外に暮らしているそうです。罪を犯した被告が福岡で暮らしていると言うのに・・・・これには驚きました。

長年暮らしてきた福岡の地さえ住めなくなったご両親。いったい何の罪があってそんな仕打ちをされなければならないのか、お二人の苦しみは察するに余りあるほどです。せめて、故郷の福岡に住む僕たちが温かく見守っていかなければ、亡くなった子供さんも浮かばれないし、海外で暮らさざるを得なくなっているご両親も生きる希望を無くしてしまうのではと思うのは僕だけでしょうか。

《参考》

・「飲酒がもたらす災禍 」・・・2006年8月27日の僕のブログ記事


  


2009年02月02日

【熱波襲来】

オーストラリアでは大変な熱波になっているようだ。

『1月下旬、メルボルンなどオーストラリア南部を記録的な猛暑が襲い、豪紙デイリー・テレグラフによると、31日までに31人が熱中症などで死亡した。

 山火事や鉄道のマヒ、停電などの被害も広がっている。

 豪気象庁によると、メルボルンでは28日から30日にかけ、1855年の観測開始以来初めて3日連続で気温が43度を超えた。アデレードでも31日、最高気温40度を観測した。

 空気の乾燥などで、郊外の各地では山火事が発生。31日までに山林6000ヘクタールが焼け、少なくとも建物20棟が焼失した。また、山火事による高圧電線の切断などが原因と見られる大規模停電も発生している。』 (1月31日付読売新聞)


【気候変動の脅威】

熱波とは、その地域の平均的な気温に比べて著しく高温な気塊が波のように連続して押し寄せる現象のことで、過去には1987年のギリシア、2003年のフランス、2007年の欧州、日本などで起こった。そして今回はオーストラリア南部だ。

メルボルンで開催中のテニスの全豪オープンでもあまりの暑さに試合中断が相次ぎ、連日スケジュールが乱れているとのこと。40度以上で何時間も試合すると選手たちはもちろん、観客ももたないだろう。

それにしてもオーストラリアはようやく千年に一度の大干ばつから脱出した矢先に、今度は100年に一度の熱波と気候変動の影響をもろに受けている。異常現象は世界各地で起きており、決して他人事ではない。この熱波も早く収まってオーストラリアの人たちの生活が元に戻るのを祈るばかりだ。
  



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