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2008年04月30日

【連休から値上げへ】

連休に車での遠出の行楽を考えている人にとって痛手は大きいのではないでしょうか。

『石油元売り各社は28日、5月のガソリンの卸価格を、1リットルあたり30円前後値上げすると発表した。

 ガソリン税の暫定税率復活による税率上乗せ分(1リットルあたり25・1円)に、原油価格の高騰で3・7~7円の値上げが加わるためだ。

 レギュラーガソリンの店頭価格は、5月中に全国平均で初めて160円台に突入する公算が大きい。

 卸価格の値上げ幅は、暫定税率の上乗せ分を除けば、5月1日分から出光興産が7円、昭和シェル石油は5・2円、新日本石油は3・7円。ジャパンエナジーはすでに5円超を値上げする方針を表明している。

 レギュラーガソリンの全国平均店頭価格は、21日時点で1リットルあたり130・6円だ。各社の上げ幅は税率上乗せ分を合わせると28・8~32・1円になるため、昨年12月に記録した最高値(155・5円)を上回るのは確実だ。』 (4月28日付読売新聞)


【政治に翻弄】

自民と民主の泥仕合の結果、僕達ドライバーにとって暫定税率失効による1ヶ月足らずのつかの間の安値ガソリンが月末にも再び値上げになります。

それもここ1カ月で一段と高騰した原油価格の影響で、暫定税率分を上回る35円近い値上げになるようです。結構家計には響きますね。

最近の原油価格の高騰は、まさにピークオイルが近いとの連想を抱いてしまうくらい凄い勢いなのですが、単なる連想だけではなくすでに企業の中には近い将来200ドル/バーレルになることを想定して経営計画を立てているところもあるそうです。本当にあっという間に大変な時代になったものです。

【インフレへの備え】

相次ぐ資源価格や農産物価格の高騰の背景には、サププライム問題で萎縮する世界経済や気候変動による農作物の不足感などいろいろありますが、確実に言えるのは長かったデフレ時代が終息し、インフレが忍び寄ってきているということでしょう。

70年代の石油ショックのとき、ガソリン価格が160円くらいだったことを覚えていますが、今まさにあの時の水準も越えようとしているのです。これから本格的な物価上昇時代が始まろうとしています。

ガソリンが常に上がっていき、他の物価も次々と上がっていくことを常に念頭に置いて、頭を切り替えてインフレに強い生活スタイルを個々人が実践していく必要がありそうですね。  



2008年04月28日

【パイロットの決断】

アメリカの国内線から熟練パイロットがいなくなる?そんな心配が出てきているという記事が4月21日号タイム誌「国際線出発」("International Departures")というタイトルで掲載されているのが目に留まりました。その記事によると、米国の国内線の労働環境に幻滅したパイロットたちが海外に逃げ出して、米国の航空会社はパイロットの奪い合いになっているとのこと。

International Departures ---- Disillusioned U.S. airline pilots are heading overseas, leaving domestic carriers scrambling

いったい、アメリカの航空界で何が起きているのでしょうか?

【パイロットの大量のシフト】

端的に言うと、アメリカの航空会社からアラブやアジアの航空会社へ大量にアメリカ人パイロットが移籍しているということです。
そのひとつがドバイのエミレーツ航空。なんと、過去4年間に100人近いアメリカのパイロットがエミレーツ航空に移ったとのこと。これは凄い。

なぜか?もちろん待遇の違いです。合併や経営統合を繰り返し、従業員は疲弊、トップは次々と変わる米国の航空会社に比べ、エミレーツ航空等の航空会社は給与はいいし、休暇もたくさん、送り迎えはリムジン、さらには経験あるパイロットとして尊敬も集める。こんなに違えば誰でも移りたくなるでしょう。こんな好条件でアメリカのパイロットを雇おうとしているのはインドや中国も同じです。

【航空界のグローバリゼーション】

米国は民間も軍事も含めて、もともと世界のパイロットの養成場所として有名なのですが、教える側のパイロット経験者も教わる側の若手パイロット候補者も人手不足になっているのです。

The U.S. is still the world's pilot training ground, but the pool of young talent is drying up.

では今年12千人と見込まれる米国の新規パイロット需要はどうやってさばいていくのでしょうか?しわ寄せは、大手航空会社からパイロットを引き抜かれるPinnacleやComairといった地方航空会社に行こうとしています。

地方航空会社は窮余の策として、航空学校の新規卒業者の手当ての増額や経験のあるパイロットのフライト時間の削減で調整しようとしているのです。あるいは現有パイロットの超過労働につながって空の安全に支障が出る可能性も出てきます。

グローバリゼーションの進展がもたらした思わぬ事態に米国の航空業界は四苦八苦しているのです。果たして、日本の航空業界に波紋が広がることはないでしょうか。日航さん、全日空さん、よろしく頼みますね。

  



2008年04月25日

【タイム誌への投稿】

4月21日号タイム誌の記事“International Departures”について4月22日に投稿しましたので公開します。

Mobilization of U.S.airline pilots from domestic carriers to overseas is one of the unexpected results from globalization. It is also similar to the Japanese star baseball players leaving Japan for the Major leagues in the U.S. seeking for much higher pay. In a global economy, money speaks everywhere and with good reason.

The trouble is that if the outflow of experienced pilots from the U.S. should be a major trend, many American passengers may have some uneasiness about the safety of domestic flights. To get rid of their anxieties, U.S. airlines as well as the aviation authorities should try hard to recover the social and mental status of domestic pilots by raising their salaries and reducing their stress and fatigue caused by overwork. Otherwise, U.S.carriers would become the least safe vehicles in the world.


【拙訳】

米国のパイロット達が国内の航空会社から海外に出て行くのは、グローバリゼーションがもたらす予期せぬ結果のひとつだ。それは日本のスター的な野球選手が高給を求めて米国のメジャーリーグに移籍すべく日本を離れていくのに似ている。グローバルな経済のもとでは、どこでもマネーがものを言うのも当然なのだ。

問題は、米国から経験を積んだパイロットが流出することが大きな流れになって、多くのアメリカの乗客たちが国内のフライトの安全性に懸念を持つことだろう。そういった不安を取り除くためには、米国の航空会社と航空当局はパイロットの給与を上げて、過労から来るストレスや疲れを減らすことで彼らの社会的地位や精神状態を回復するよう全力で取り組むべきだ。そうしなければ、米国の航空会社は世界で最も危険な乗り物になるだろう。
  



2008年04月24日

【メタボと保健師】

法律の改正がともすると目立たなかった職業を一躍表舞台に立たせようとしているという記事が目についた。

『保健師の存在がにわかに脚光を浴びてきた。今年度からメタボリックシンドローム(内臓脂肪症候群)に着目した特定健康診査・特定保健指導が義務化され、重要な役割を担うようになったためだ。メタボ該当者らを減量や血液データ改善などへどう導くのか。看護師に比べて有資格者数が大幅に少なく、人手不足も心配されるほか、さらなる能力の向上も求められている。保健師が所属する日本看護協会(日看協、久常節子会長)では、保健師の育成に本腰を入れ始めた。』(4月18日付産経新聞)

【脚光、保健師】

保健師と言えば、一般的にはこれまで、公務員として自治体の保健所などへ進むケースが多く、医療界では医師や看護師と比べ、どちらかというと目立たない存在で、有資格者数も、全国の看護師約82万3000人に対し、4万7000人にすぎないそうなのですが、個人的には学校や大手企業の医務室でちょっとした身体の不調を見てくれる看護士さんのような優しいお姉さんの姿が思い浮かびます。一体、どういう職業なのでしょうか?というわけで、その定義を「13歳のハローワーク」(村上龍著)を見てみました。

『市町村役場や地域の保健所、保健センターなどに勤め、住民の健康を守り、促進することに努める。相手は、赤ちゃんからお年寄りまであらゆる年齢層にわたっており、それぞれの人の生活や健康状態を聞きながら、適切な措置やアドバイスをしていく。そのため、保健師として働くためには、幅広い知識や視野、あたたかい人間性、しっかりした体力と精神力が欠かせない。以前は「保健婦」という名前で知られていた職業。1993年に保健婦助産婦看護婦法が改正され、男性もこの仕事につけるようになったが、2002年からは「保健師」という名称に統一された。保健師は国家資格のひとつ。受験にあたっては看護師免許(もしくは看護師国家試験受験資格)が必要なので、看護師養成機関で学んだうえ、保健師養成学校で学ぶか、看護師と保健師のカリキュラムをそなえている看護系の4年制大学で学び、試験を受ける。また保健師の資格を取得すると、養護教諭(2級)の資格も申請するだけで取得できる。』

まさに村上龍氏の言葉どおり、保健師さんとは「幅広い知識や視野、あたたかい人間性、しっかりした体力と精神力が欠かせない」職業なのです。どちらかと言えば、目立たない存在であった保健師さんが今回の法律改正でメタボ検診のアフターフォロー役として脚光を浴び、需要も急増しているということは、将来的には保健師さんたちの待遇改善や職業上のステータスアップにもつながっていくのではないでしょうか。

医療費削減を強引に進めるため、やや拙速で説明不足の感が否めない厚労省のメタボ検診ですが、保健師さんの仕事に光を当てたという意味ではよかったと言えるのかもしれません。これから気になるウェストのサイズダウンなどにアドバイスしてくれる保健師さんとのコンタクトが増える中高年サラリーマン諸氏、みなさんの保健師さんのイメージはどんなものですか?face02  



2008年04月23日

【ブログ4年目の広がり】

ふとした友人の一言から発奮して始めたブログ生活。今年で4年目となりました。こんなに続くとは自分でも思わなかったのですが、広がりもどんどん出てきています。今までに立ち上げたブログは8本にものぼります。

1. 「博多っ子の元気通信」・・・これが中心のブログ。毎日のニュースを題材に書いてます。

2. 「TIME誌で知る世界の時事ニュース」・・・「博多っ子の元気通信」からタイム誌に関するニュースだけ抜粋しています。

3. 「Newsletter from Fukuoka」・・・タイム誌に投稿している英語の投稿文を掲載しています。

4. 「博多っ子の元気書評」・・・博多っ子の独自の視点で読書体験を綴ってます。

5. 「博多っ子の釣りバカ日誌」・・・博多っ子による玄界灘を舞台に繰り広げるヘボ釣り格闘日記です。

6. 「luckymentaiさんの旅行ブログ」・・・博多っ子の国内・海外旅行記です。

7. 「博多っ子のヘボゴルフ日記」・・・博多っ子ヘボゴルファーの涙ぐましいゴルフ練習日記です。

8. ブログふくおか よかよか版「博多っ子の元気通信」・・・オリジナル版「博多っ子の元気通信」のミラーサイトです。オリジナル版が重たくなってきたので軽いサイトを地元で別途立ち上げました。


よくぞまあこれだけのブログを維持しているなあと自分でもバカバカしくなりますが、実は「博多っ子の元気通信」を中心に広げているだけなんです。

【情報発信の楽しみ】

それにしても「こんなにブログ立ち上げて何が楽しいの?」と思われる方も多いでしょう。

それは「情報発信の楽しみ」です。

インターネットがこれだけ個人に浸透する前までは、個人が不特定多数の人に向かって情報発信して双方向でやり取りする方法はほとんどありませんでした。そうするためには、本や論文を出版してデビューするしかなかったのではないでしょうか。

しかし、今は違います。ブログで情報発信し、My SpaceやMixiといったSNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)の仲間達と自分が発信した情報についていつでもどこでも意見交換ができるのです。最近はSNSも携帯電話中心に変わってきているようですが、それでも友達の輪はりアルの世界にプラスアルファして広がっていくのです。こんな愉快なことはないですよ。

今、僕は時空を超えた人と人との情報交換ほど魅力に満ちた世界はないと実感しています。だからこそ、仕事に差し支えない範囲で(これ、最も重要です。今では仕事には様々な形でプラスになっています。)、テレビを観る時間を主に削って、ごろ寝の楽しみも捨てて日夜記事をアップしているのです。

これからはYou Tubeなどを使って映像の世界にもチャレンジしてみようとか、夢はどんどん広がります。インターネットの進化はうまく使えば楽しさ満載です。

みなさんも一度はまってみませんか?ブログ生活―といっても、オタクである必要はありませんよ。(笑) 


  



2008年04月22日

【アジアの米騒動】

ここ数週間、テレビや新聞でアジアの米争奪に関するニュースを頻繁に目にするようになった。つい先日も、主食の米を輸入に頼るフィリピンで市民による米騒動が頻発しているとの報道がNHKニュースで取り上げていた。一体、アジアの米に何が起こっているのだろうか?

折りしも、4月21日付タイム誌「穀物がない、大きな痛み」("No Grain, Big Pain", page 32, TIME dated on April 21, 2008)というタイトルで、インドからフィリピンまでアジアの主要作物の価格が急騰、食料不足の広がりに懸念が高まっているとの記事が掲載されていた。

No Grain, Big Pain ---- From India to the Philippines, the price of Asia's most vital food is skyrocketing, setting off worries of widespread shortages. What's causing Asia's rice crisis, and will it get worse?

【単純ではない背景】

アジア、特にタイ、ベトナム、バングラデシュ、インド、パキスタン、そしてフィリピンといった国々にとって米は主食であり、食文化そのものだ。日本も例外ではない。そんな貴重な食べ物だからこそ、自国への最近の穀物価格急騰の影響を少しでも和らげようと各々がなりふりかまわぬ対策を講じ始めたのだ。そのひとつが米輸出国の輸出規制。世界第二の米輸出国ベトナムやタイ、そして中国までもが米の輸出を大幅に規制し始めたのだ。そういった動きが米を輸入に頼るフィリピンやバングラデシュを直撃した。

しかし、米不足の原因はそれほど単純ではない。需要サイドでは中国やインドといった急速な経済発展を遂げ豊かになりつつある国々の米需要の増加、供給サイドでは旱魃などの気候変動、ベトナムでのペストの流行、さらにはエタノール燃料への穀物使用などが米価格高騰の背景にある。そして、さらにはグローバリゼーションの進展によってインドなどかつては米取引を統制していた国が自由な価格による国際市場での米取引を認め、高値で買ってくれる相手に売るようになっていることも価格高騰、米不足の背景になっているのだ。

【行き過ぎる人間活動】

ここ数年、人間活動が地球という閉ざされた環境の中ですでに「行き過ぎてしまった」のではないかという懸念を強くしている。希望を失ってはいけないが、1972年に発表されたローマクラブの「成長の限界」から既に36年。当時そしてその後修正された資源や人口、食料、環境といったシュミレーションがひとつひとつ現実のものになってきているのだ。7月の洞爺湖サミットで協議される地球温暖化、気候変動問題しかり、枯渇する石油や希少金属の価格高騰、経済のグローバル化で顕在化しつつある各地の水不足、止まらない発展途上国の人口爆発などなど。それぞれの要因が複雑に絡み合い、世界を大きく揺さぶっているのだ。

アジアの米不足もそのひとつであり、この米を巡るゼロサムゲームを一挙に解決する特効薬は存在しない。それどころか世界の他の地域に比べればまだ経済発展に成功しているアジアの食糧危機が深刻化すれば、アフリカなどの最貧国への悪影響も懸念されるだろう。さらには、世界中で食物をめぐる政情不安、国同士の対立に波及するのも時間の問題だろう。

7月の主要国首脳会議(洞爺湖サミット)で食料難と地球温暖化の関係が「深刻な問題」として議題に取り上げられる見通しとなったとの報道があったが、日本をはじめとする先進各国が国際機関と協調して、米や穀物の価格高騰への迅速な対応を協議、実行すべきだ。


《参考》


・「世界の食料確保に向けた輸出規制の動き」(4月16日付ロイター通信)  



2008年04月21日

【突然の涙】

突拍子もない発言などでマスコミの注目を集める弁護士知事橋下氏が、今度は不意の涙で世間の注目を集めました。

 『大阪府の橋下徹知事直轄の改革プロジェクトチーム(PT)がまとめた市町村への補助金削減案を巡り、橋下知事と府内43市町村長らとの意見交換会が17日、大阪市中央区の府庁別館で開かれた。各首長は「弱者切り捨て」「オフサイドとも言えるルール違反」「府庁内部の改革が先決」とそろって補助金削減に反対する姿勢を示した。橋下知事は〈四面楚歌(しめんそか)〉の様相に険しい表情を崩さず、最後は「今までと同じやり方では何も変わらない」と涙をぬぐいながら改革への理解を求めた。

 冒頭、橋下知事は「府だけでなく、大阪全体で財政再建を果たしたい。少しずつの我慢をお願いしたい」と頭を下げた。PT試案では、2008年度は貸付金を含めた市町村関連事業3357億円のうち79億円を削減するとしており、府市長会長の倉田薫・池田市長が各首長に発言を促すと、10人以上から一斉に手が挙がった。』(4月17日付読売新聞)


【借金地獄の大阪】

それにしても大阪府の借金はすさまじい。直近の06年度の府財政は、翌年度に繰り越す財源を引いた実質収支で、九年連続の赤字となるマイナス135億円。この赤字幅はピーク時(2000年度)の395億円から縮小傾向にあるが、借金に当たる府債残高は5兆円超(一般会計ベース)と、通常見込まれる収入額を示す府の標準財政規模(1兆4345億円)の3.5倍に相当する額で、一般家庭に例えると年収の3.5倍の借金を抱えている状態を意味するのだそうだ。

当然このまま放置しておけば、民間企業の倒産に当たる財政再建団体に転落した北海道の夕張市の二の舞となって行政サービスは大幅に低下することになるだろう。

だからこそ、大阪府民は38歳という若輩ではあるものの財政再建を大きく掲げた橋下知事を選挙で選んだのだ。

【危機感薄い市町村】

その橋下知事の登場で、府財政の現状に対する府民の危機感が相当高まっているのは、時々見られる破天荒な行動は批判の対象になるものの全体としては知事の大きな成果といえるだろう。

そんな中で出た橋下知事と府下市町村長との意見交換会での知事の涙。知事のパフォーマンスという見方もあるが平松邦夫・大阪市長をはじめとする市町村長の激しい知事批判の前におもわず出た真剣さゆえの涙と思いたい。それにしても、批判した側の市町村長にとっても、知事自身がいみじくも語っているように他の都道府県や市町村に比べてかなり多くて高いと言われる職員数や給与を先ず減らして、大阪府からの補助金も返上して自助努力をすることが先ず大阪全体の再建の第一歩だろう。

どういう議論が行われたのか詳細は存じ上げていないが、橋下知事を選んだ府民に比べると市町村長の危機意識は極めて低いと言わざるを得ないのではないか。先ずやるべきことをやってから他人の批判をすべきだと思うがどうだろうか。
  



2008年04月18日

【天井知らず】

原油の高騰が止まらない。

『15日のニューヨーク・マーカンタイル取引所の原油先物相場は、米国内のエネルギー需要が増加するとの観測などを受けて急伸、指標である米国産標準油種(WTI)の5月渡しは通常取引終了後の時間外取引で一時、前日終値比2.32ドル高の1バレル=114.08ドルまで値上がりし、9日以来4営業日ぶりに史上最高値を更新した。通常取引の終値でも同2.03ドル高の113.79ドルと2日連続で終値ベースの史上最高値を更新した。

 午前中に発表された4月のニューヨーク州製造業景況指数が大幅に改善したことで、米景気の先行き懸念が後退、米国内でのエネルギー需要が高まるとの観測につながった。また、商品市場への投機資金の流入が勢いを増したことで、原油への買い注文が膨らんだ。商品市場では金が上昇したほか、穀物価格も値上がりした。』(4月16日付毎日新聞)


【募る不安】

原油相場の上げは急激だ。年初の100ドル/バレルから3カ月足らずの間に110ドルを突破し、今は114ドル。年初からだけでも14%も値上がりしているのだ。新聞報道にあるように、これは行き場のない投機資金が原油だけでなく商品相場全般に集中しているからなのだろうが、たとえ投機であったとしても枯渇する資源に対する人々の不安心理が背景にあることは否定できないだろう。

不安が不安を呼び、投機が投機を呼ぶ。世界経済は悪循環に陥っているのではないか。そういう懸念が頭をよぎる。

そして原油をはじめとする商品相場の高騰は穀物価格の急騰に拍車をかけ、アフリカやアジアの経済的に弱い国々の人々の暮らしを直撃している。日本のように豊かな国なら、消費の切り詰め程度で済むが、貧しい国の人々にとっては生きるか死ぬかの問題なのだ。

【袋小路に陥る人類】

世界経済がサブプライム問題で揺れて、景気の減速が予想されると行き場を失った投機資金が原油などの商品相場に流れ、資源価格の高騰を招く。

逆に世界経済が回復基調に戻り、米国や中国・インドなどの国々への投資が活発になったらなったで、今度はCO2排出の増加という他の制約要因が頭をもたげてくる。

まさに人類は地球という閉じた環境の中で、資源、人口、環境などの制約要因が複雑に絡み合って袋小路に陥ろうとしているのではないだろうか。

みなさんはどう思われますか?

  



2008年04月17日

【地球温暖化と経済成長】

地球温暖化と経済成長について、国際通貨基金(IMF)が本格的な報告書を公表した。

『国際通貨基金(IMF)は3日、地球温暖化問題の経済的影響について初の本格的な報告書を公表した。同日公表した世界経済見通しの分析部分で触れた。炭素(環境)税導入などをした場合でも、2040年の世界経済は現在の2倍以上の規模に成長すると予想、「世界経済に大きな影響を与えずに対策を講じることは可能」と結論づけた。環境対策導入に慎重な国への有力な説得材料になるものと見られる。

 IMFは、2100年の温室効果ガス排出量を、02年実績の4割まで削減する目標を設定。13年から全世界で炭素税や排出量取引などの対策を導入した場合の経済的コストを試算した。

 それによると、世界の実質成長率は、13~40年の累計で約2%落ち込むものの、世界経済に与える影響は限定的で、40年の実質国内総生産(GDP)は07年の2・3倍に膨らむと予測した。』(4月4日付毎日新聞)


【途上国の懸念】

京都議定書に基づく温室効果ガス排出削減がスタートした今年、世界はさらなる地球温暖化防止に向けた統一的な行動指針を合意すべく喧々諤々の議論を続けている。しかし、今まで膨大なCO2を出し続けた先進国に対する途上国の不信感は根強く、なかなか合意への道のりは厳しいだろう。

その途上国の懸念というのは、これから経済成長をさらに加速させようと考えている途上国にとって、CO2削減という対策が成長の足かせになるのではないかということに尽きる。

その懸念に対するひとつの回答が今回のIMFの報告なのだ。報告書によれば政策の中身や国によって差異はあるものの、世界全体としては炭素(環境)税導入や排出権取引などを採用した場合でも、2040年の世界経済は現在の2倍以上の規模に成長すると予想、「世界経済に大きな影響を与えずに対策を講じることは可能」としている。

【先進国の責務】

この報告書だけで途上国が納得するわけではもちろんないが、日本を含む先進国が途上国の不信や懸念をできるだけ取り除いていくという決意を示し、それを確実に実行していかなければ実効性のある地球温暖化防止は不可能だろう。

 その際、IMFが「対策を講じる際には世界経済への影響を慎重に考慮することが重要」と指摘するように、バイオ燃料の導入が世界的な穀物価格高騰を招いたり、アマゾンに見られるようにCO2を吸収する熱帯雨林の大規模な消失につながったりしては元も子もないことも肝に銘じるべきだろう。

地球温暖化防止のためには、先進国の責務はどんなに重くても重すぎることはないのだ。日本政府も財界もそのことを念頭に置いて洞爺湖サミットに向けてリーダーシップを発揮してもらいたい。

《参考》

・"Climate Change and the Economy" by Natalia Tamirisa , a Deputy Division Chief in the IMF’s Research Department.
  



2008年04月16日

【宇宙から見た地球】

宇宙から見た地球の姿には何か神々しいものが感じられます。そんな地球の新しい映像が撮影されたとの報が目に留まりました。

『宇宙航空研究開発機構とNHKは11日、月周回衛星「かぐや」に搭載したハイビジョンカメラで、太陽の光を全面に受けて丸く輝く地球の姿を撮影し、映像を公開した。「満月」ならぬ「満地球」の撮影のチャンスは、太陽、月、地球が一直線に並ぶ年2回だけで、ハイビジョンでの撮影は世界初だという。』 (4月11日付時事通信)

【自分を見つめなおす】

もうずいぶん前に評論家の立花隆氏が書いた「宇宙からの帰還」という本にものすごく感銘を受けたことがありました。その本の中で、立花隆氏は何十人もの宇宙飛行士にインタビューし、宇宙に出たとき、そしてその後の本人の変化を書き留めているのですが、なんといっても初めて宇宙から地球を眺めた宇宙飛行士たちの証言は圧巻でした。神の啓示のようなものを感じた飛行士達も少なからずいたようです。(立花隆氏は文芸春秋によると今膀胱がんと格闘中のようです)

そもそも現在の地球環境の悪化が万人に知られるようになったのは、「宇宙から地球を見る」という彼らの体験がその出発点になっているのはご承知のとおりです。

このハイビジョン映像にある宇宙から見た満月ならぬ「満地球」の姿。最近はありふれた画像になってしまったかもしれませんが、もう一度しっかりその美しさ、その偉大さを心にかみしめて、自分自身や地球のことを見つめなおす機会にしたいものですね。
  



2008年04月15日

【高尾山で増える事故】

東京都心から近く、家族連れなどハイキングで年中にぎわう高尾山で事故が多発しているそうです。

『全国最多の登山者数を誇る東京都八王子市の高尾山(標高599メートル)で、事故が急増している。07年は43件(45人)と、04~06年の平均のほぼ倍になった。今年も3月末までに12件の事故が起きている。都心から近く、軽装の登山者が後を絶たないことに加え、人気の観光ガイドブックが紹介し登山者が急増したことが背景にありそうだ。   

 高尾山は新宿から電車で約1時間の距離にあり、6通りのハイキングコースがある。一般的な登山ルートなら約1時間半で登れ、手軽さから若いカップルなどにも人気がある。年間登山者数は230万~250万人。』(4月12日付毎日新聞)


【高い人気の高尾山】

高尾山は僕も東京に住んでいた頃、家族で何度も登りました。八王子までJR中央線で行けば直ぐだし、なによりも標高は6百メートルほどしかないのにケーブルカー・リフトはあるし、登山ルートも8つ、自然研究路も6つと手軽に登山を楽しめるようにありとあらゆるサービスが整っているのが東京在住の人にはとても魅力的なレクレーションの場所なのです。

そんな高尾山ブームに最近もうひとつ火をつけたのが昨年4月に発表されたあのミシュランの評価です。なにしろそのフランスのミシュラン社が出版した日本版旅行ガイドブック「ボワイヤジェ・プラティック・ジャポン」で紹介された高尾山は、動植物の多様さなどから富士山と同じ最高クラスの三つ星を獲得したというのですから、東京都民だけではなく世界にそのすばらしさが認められ、日本全国・世界各国から観光客や登山客が殺到しているらしいのです。

【低山でも油断は禁物】

でもどんなに都心に近くても、どんなに低い山でも山を甘く見てはいけません。僕も数年前、家の直ぐ近くにある標高3百メートルくらいしかない立花山を下山する途中、大の大人が4人もいたのに道に迷ってしまったことがあります。

最近は携帯電話があるので安心している人もいるかも知れませんが、携帯電話も届かない場所は山には意外に多いですし、バッテリーもそんなに長くは持ちません。それに自分の居場所を正確に伝えられる人がどれだけいるでしょうか。

いづれにしても、低山でも山に登るときは、(1) 日没までに下山できるように計画すること(日が暮れてしまうと山は漆黒の闇に包まれます。懐中電灯は必須です)、(2)水や雨具、最低限の食べ物の用意、(3)登山していることを家族や知人に必ず伝えておくことなどは励行してください。

ミシュランの山、高尾山、もういちど東京に行ったら登ってみたいです。

《参考》

・高尾山公式ホームページ


  



2008年04月14日

【フラット化する世界】

トーマス・フリードマン教授のベストセラー「フラット化する世界」("The World Is Flat")の日本語版が出版されたのは2006年5月。この本を読めば、インターネットと革新的な通信技術によって、この10年近くで世界のビジネスの仕組みは僕らの想像を超えたスケールで進み、世界がまさにフラットになっていることが手に取るようにわかる。そのフラット化の要因としてフリードマン氏が挙げている中にインドのアウトソーシングの事例が掲載されている。

それはコンピューターの2000年問題、いわゆるY2Kと呼ばれる二桁の日付のバグの問題だ。この問題を解決するために限られた時間で大量のコンピュータエンジニアを使って膨大なコンピュータの修正作業を迫られたアメリカが、大量の英語を話せる知能労働者を有するインドとの共同作業を行ったのがきっかけとなったのだ。

このインドとアメリカの共同作業を可能にしたのがインターネットであり、これがデジタル化できるあらゆるサービス、コールセンター、ビジネス支援、知識労働をインドのような最も安く、賢く、有能な供給者に割り当てることができると言う「海外へのアウトソーシング」-世界のフラット化の一要因となったのだ。

【そして弁護士業務も】

4月14日号タイム誌のグローバル・ビジネス欄の記事「弁護士を呼んでくれ・・・・インドの」("Call My Lawyer.....in India")の中で、今そのアウトソーシングが米国とインドの間では、ついに弁護士業務にまで浸透しつつあるという事実を紹介している。

OUTSOURCING ----Call My Lawyer .....in India. Call-center jobs were first; now U.S.companies are looking offshore for their legal work too

もちろん弁護士業務のアウトソーシングが成立するためには、米印の弁護士の間に大きなフィーの格差が存在するからだ。ある米国の弁護士の時間当たりのフィーは395ドルに対し、インドでは60ドルほど。およそ6~7倍の開きがあるのだ。これほどの格差は先進国の間では考えられないため、一部業務をインドにアウトソースして、クライアントの負担を減らし競争力をつけようという弁護士事務所が出てきても不思議ではない。

【根強い抵抗も】

しかし、米国内の弁護士には根強い批判や抵抗もある。そのひとつが守秘義務や利益相反の認識といった弁護士のコンプライアンスの問題をインド側が理解しているかどうかということがある。

Outsourcing companies do not understand the scope of a lawyer's duty to confidentiality, nor are they familiar with conflict-of-interest rules.

何千キロも離れたインドでクライアントの秘密が漏れたら大変だという懸念があるというのだ。あるシカゴの弁護士事務所は、アウトソーシングはしないと明言しそれは「弁護士業務の質」に関わると公言する。

"We don't do, haven't done and don't plan on doing this. The name of the game for us is quality." says Gregg Kirchhoefer, a partner in the Chicago office of Kirkland & Ellis.

それにしても、「ああ、弁護士よ、お前もか。」とでも言いたくなるようなすさまじいばかりのアウトソーシングの広がりだ。

使用言語が英語だからといって日本の弁護士もうかうかとしてはいられなくなるだろう。良し悪しは別にして、あらゆる契約形態は金融にせよ、製造業にせよ、グローバル化が急速に進んでいるのだ。早晩、米国の弁護士費用の競争力強化が日本の弁護士業にも及んでくるだろう。国内弁護士の数の問題など内向きの議論ばかりしていたらいつの間にか国際的競争力を喪失して空洞化してしまうことになるのではないだろうか。みなさんはどう思われますか?

それともすでに国際的競争力などない?失礼しました。

  



2008年04月11日

【ショッキングなニュース】

最近、ショッキングなニュースが多くて滅入ってしまいます。

『オーストラリアの研究者らは、気候変動の影響によってコアラが犠牲になる可能性があるとの見方を示している。気候の変動によってコアラの主食であるユーカリの葉が食用に適さないタイプに変質する可能性があるという。
 ジェームズ・クック大学のアイバン・ロウラー博士の研究によると、空気中の二酸化炭素が増加すると、ユーカリの葉に含まれる窒素などの栄養分は減少する一方、毒性のあるタンニンが増える。また、ユーカリの葉に含まれるタンパク質の量も大幅に減少するため、コアラはその分大量のユーカリを食べなくてはならなくなるという。
 ロウラー博士は「コアラを取り巻く食物連鎖は非常に繊細なバランスで成り立っているので、小さな変化が深刻な結果を招きかねない」と警告している。』(4月7日付ロイター)


あの可愛らしいコアラが犠牲になるなんて・・・・悲しい限りです。

【日本では9動物園で飼育】

コアラが九州で見られるのは鹿児島市の平川動物公園だけ。全国でも鹿児島以外では、多摩動物公園、横浜市金沢動物園、埼玉県東松山市のこども動物自然公園、名古屋市の東山動物園、神戸市立王子動物園、大阪市天王寺動植物公園、沖縄こどもの国、南あわじ市のファームパーク イングランドの丘の8つしかないそうです。

かつては、オーストラリアでは毛皮目的で乱獲が進み、最盛期には年間数百万頭が捕獲されていて、1930年代には絶滅の危機に瀕していたコアラ。

その後、保護活動がなされたものの、開発によるユーカリ林の減少によって生息域を狭めてられた上に、今度は気候変動によるユーカリの変質。

オーストラリアは記録的な大干ばつで自然の生態系がバランスを崩しつつあると聞いています。なんとかオーストラリアのシンボル的存在である、あの可愛らしいコアラを救う手立てを考えてほしいものですね。
  



2008年04月10日

【清掃登山、不許可】

北京五輪が近づくにつれて、環境問題に過敏に反応する中国の姿勢がますます批判の対象として浮かび上がってきています。この記事もそのひとつ。

『アルピニストの野口健さん(34)が19日に予定していたチベット側からのチョモランマ(エベレストの中国名)の清掃登山を、ネパール側からのコースに変更したことが1日、分かった。北京五輪の聖火リレーが山頂を目指すチョモランマに、ゴミがあることを認めたくない中国政府から許可が下りなかったという。

 野口さんは一昨年から、エベレストで清掃登山を行っている。ネパール側から登ったこともあったが、北京五輪が開催される今年は「中国の環境は世界の環境問題につながる」として、チベット側からの登山を申請。回収したゴミを北京に運び、展示することを計画していた。

 ところが、「チョモランマが汚れていることが公になっては困る。清掃登山は共感できない」とする中国政府の意向で昨年10月、不許可となった。

 野口さんによると、過去2回のチベット側からの清掃登山で約8トンのゴミを回収した。野口さんは「公にしない姿勢は大いに問題がある」と話している。』(4月2日付産経新聞)


【登山家の理想と現実】

野口さんと言えば、平成11年にネパール側からエベレストに登頂。その後中国側からの登頂にも成功し、日本人で8人目とされる両ルートからの世界最高峰制覇を成し遂げた登山家です。彼が冒険登山家だけで終わらないのは、平成12年からエベレストや富士山などのごみ回収に取り組んで、環境に目を配った活動をしていることです。

その野口さんの環境登山家としての良心がエベレストの清掃活動を精力的に続けさせる原動力になっているわけですが、そんな熱意も中国政府の「世界に見せたくない現実」に対する頑なな態度の前にはどうしようもなかったのです。本当に残念ですね。

【現実を直視すべき中国】

北京五輪が近づくにつれて、世界中の目が中国政府の人権や環境に対する姿勢に向けられています。チベット暴動や北京の大気汚染だけではなく、野口健さんの取り組みのような比較的小さな事例でも、中国政府の現実を直視しようとしない姿勢が日増しに批判の的になってきているようです。

黄砂の発生源を軍事上の機密があるとして公表しないなど、黄砂被害に遭っている僕ら九州の人間にとっても中国の環境に対する閉鎖的な姿勢は見過ごせないものがあります。経済的にも環境的にも無視しえない大国となった中国。もう少し大人になって情報公開するほうが、大局的な意味での安全保障になると思うのですが・・・・本当に厄介な国ですね。
  



2008年04月09日

【大阪名物消える?】

あの「くいだおれ人形」の運命は?

『大阪名物「くいだおれ人形」で知られる大阪・道頓堀の食堂「くいだおれ」が7月8日に閉店することが8日、分かった。建物の老朽化などが理由という。

 食堂「くいだおれ」は、昭和24年に創業者の山田六郎氏が開店。翌25年に赤白のストライプに眼鏡をかけた「くいだおれ人形」こと「くいだおれ太郎」を設置。大阪の賑わいの象徴的な存在として人気を集めてきた。

 「くいだおれ太郎」について、同店では「昔からのお客さまがいらっしゃるので、くいだおれらしく華々しくフィナーレを迎えたい。(人形については)それが済んだらゆっくり考えたい」と話しており、人形の今後については「未定」だという。』(4月8日付産経新聞)


【主の気骨】

大阪・道頓堀と言えば、大方の人は「ああ、あのくいだおれ人形のある」と思うのではないでしょうか?それほど全国的に有名な人形ですよね。

この人形を飾っている食堂の主である山田六郎さんはアイデアマンであたらしもの好きらしく、1949年(昭和24年)に焼け野原となった大阪で戦後の復興に寄与することを目指して食堂として創業されてから、1952年のテレビ受像機の設置や空調設備の導入など、その時々の流行をいち早く取り入れることで有名だったそうです。

くいだおれ人形もそのアイデアのひとつ。1952年のビル建設の際に融資を受けようとしていた銀行から「時代錯誤で町のイメージに合わず、加えて騒音まで出す人形」を撤去することを融資の条件にされたこともあるそうですが、それにもめげず融資は断って人形を守ったとのこと。すばらしい! 銀行に商売の王道、真髄なんてわかるはずもありません。そんな気骨が人形の存在を全国に知らしめ、今日までの食堂の隆盛に結びついたのでしょう。

【新天地で活躍を】

そんな素晴らしい過去を背負ったくいだおれ人形と食堂が姿を消すなんて、5兆円もの借金にあえぐ大阪にとって大きなイメージダウンどころかイメージ消失になってしまいます。

きっと、アイデアマンの山田さんには秘策があるのでしょうが、ぜひこの「くいだおれ太郎」君には大阪の名物として、大阪の別の新天地での再デビューをお願いしたいですね。くいだおれずに歯を食いしばってでも頑張れ、くいだおれ太郎!!
  



2008年04月08日

【巨星落つ】

米国映画界の巨星が遂に落ちた。

『米アカデミー賞受賞俳優のチャールトン・ヘストン氏が5日夜、ビバリーヒルズの自宅で死去した。家族が声明で明らかにした。84歳だった。
 それによると、全米ライフル協会の会長を務めたこともあるヘストン氏は妻リディアさんにみとられての最期だった。
 映画「十戒」のモーセ役で俳優として頭角を現したヘストン氏は、2002年にはアルツハイマー症に見舞われたことを発表していた。』(4月6日付ロイター)


子供の頃に見た「ベンハー」の勇姿は今も目に焼きついている。

【マッチョなヒーロー】

チャールトン・ヘストン
 - イリノイ州エバンストン生まれ。兵役後、俳優活動を始め、ノースウエスタン大学で演劇を学んだ後、50年に、「虐殺の街」で本格的に映画デビュー、「地上最大のショウ」(52年)のサーカス団長役で注目された。映画界で注目を集めたのは「十戒」(56年)の預言者モーゼ役。その後、大作「ベン・ハー」で数奇な運命をたどるローマのユダヤ人貴族を演じ、スターの地位を確立した。重厚な存在感で史劇への出演が多く、70年代に制作された「アントニーとクレオパトラ」では監督も務めた。
 一方、世界的大ヒットとなった「猿の惑星」(68年)でSFに初挑戦し、近未来の暗たんとした都市生活を描いた「ソイレント・グリーン」(73年)にも主演。さらに多くのファンを獲得し、ハリウッドを代表する男優として一時代を築いた。(4月6日時事通信より一部引用) 


「十戒」でも「ベンハー」でも「猿の惑星」でもチャールトン・ヘストンは米国の典型的なマッチョなヒーロー役だった。西部開拓時代から一貫してアメリカ人が尊敬するヒーローの「かたち」だ。

そんなヘストンは映画の中だけではなく、実社会でもタカ派のヒーローとして公民権運動への取り組みや、全米ライフル協会(NRA)の会長(98~03年)として銃規制撤廃を目指したり保守色の強い米国の象徴的存在だった。

【新しいヒーロー像】

しかし、アメリカも変わりつつある。例えば、カリフォルニア州知事のシュワルツネガー氏。マッチョなヒーローのイメージは変わらないが、保守としてのヒーローよりも州独自の排ガス規制導入や地球温暖化問題への対応にも熱心なグリーンなヒーロー像にもなっているのだ。

時あたかも、大統領選の真っ只中。保守の権化のようなブッシュ大統領が任期を終え、黒人あるいは女性初の大統領が誕生するかもしれないときに保守の巨星的存在がこの世を去ったのは後から振り返れば象徴的な出来事になるかもしれない。

最後にチャールトン・ヘストン氏に心から哀悼の意を表します。

  



2008年04月07日

【乗客の不満と空港建設】

国際線での長いフライト。窮屈な席、まずい食事、B級映画。どうやったら、こんな不満をぶつける乗客を癒すことができるでしょうか?

ひとつの解決策は空港でしょう。より広くて、スタイリッシュで、便利なターミナルがあれば航空会社は、不満だらけの乗客にフライトを待つ間のつかの間の満足を提供することができるのです。

そしてそんな空港を創るベストタイミングは? ずばり、オリンピックです。

【ロンドンと北京】

4月7日号タイム誌「Come Fly with Me」と題して、ロンドンと北京に有名建築家の手による効率よく使いやすい斬新な空港が出来ているという記事が掲載されています。

Come Fly with Me. Starchitect-designed terminals in London and Beijing stake stylish claims for comfort and efficiency

先ず、ロンドン・ヒースロー空港年間7千万人の乗降客をさばく欧州ナンバーワン、世界第三位の民間空港は、老朽化した4つのターミナルのおかげで(?)荷物紛失や長い待ち時間などの理由ではその悪名が高かったのですが、2012年のロンドン・オリンピックに備えるため86億ドル(八千六百億円)の巨費を投じて第五ターミナルを建設、3月27日にオープンしました。

この第五ターミナルは、ポンピドーセンター等数々の著名な建築を手がけたイギリス人建築家リチャード・ロジャース氏(Richard Rogers)の設計で、176メートルもの幅をもつ白い鋼鉄製のアーチ式の斬新な屋根で有名です。この広大な屋根に覆われた広いスペースをフル活用して乗客が快適にチェックインや買い物、休息、移動ができるようになったのです。

そして北京。こちらは今夏のオリンピックに対応するため、ロジャース氏ともかつてチームを組んだことのあるイギリス建築家ノーマン・フォスター氏の手によって、ヒースロー空港の5つのターミナルを束ねたよりも大きな、これまたアーチ式の屋根を持つ第三ターミナルを36億ドルの巨費を投じてオープンしています。

Almost 2 miles(3.2km) from end to end, Terminal Three is the largest building in the world, bigger than all five Heathrow terminals put together.

これにより、北京空港はそれまで32百万人の処理能力に対して52百万人の乗降客だった状況を解消、82百万人の処理能力、航空機は年間242千機から500千機の発着が可能になりました。この年末には北京空港はロンドンを抜いて世界第二の空港にのしあがると見込まれています。

【大競争時代の空港】

この2つの空港を見ていると、国営であれ民営であれ、オリンピックという国際的イベントをいかに最大限に活用しているかがわかります。さらにこの10年余りの経済のグローバリゼーションの大波の中で、航空機による移動も大幅に増え、人とマネーを呼び込むためには巨大空港の存在がますます重要になってきていることを実感させます。

ひるがえってニッポン。地方自治体同士の張り合いで乱立する弱小な地方空港の乱立と空港への外資参入も頑なに拒否する国土交通省の旧態依然たる航空行政が日本の空港事情を世界の孤児に貶めようとしています。かろうじて成田空港が35百万人の旅客数で世界23位(2006年)。関西空港は24時間稼動とは名ばかりで真夜中から明け方までは実際の航空機発着は皆無との話も聞きます。使用料が高く、接続も悪い空港に海外の航空会社がそっぽを向くのは当然でしょう。

これも、英国エコノミスト誌が揶揄する「JAPAiN」の象徴的な例なのかもしれません。ニッポン政府は、未来の展望も国策もなく、このままどこに国民を連れて行こうとしているのでしょうか。
  



2008年04月04日

【意外な結果?】

ヤフーでニュースを検索していると、毎日いろいろな記事が目に飛び込んできます。その中には、常識とは正反対の面白い記事も見かけます。これもそのひとつ。

『血中の総コレステロール値が低い人は死亡リスクが高いことが28日までに、浜崎智仁富山大教授、大櫛陽一東海大教授らの研究で分かった。特に男性の場合、総コレステロール値が高いほどリスクが低くなる傾向がみられた。
 大櫛教授らの別の疫学調査では、「悪玉」とされるLDLコレステロールで同様の傾向がみられた。
 4月から始まる特定健診では、LDLが一定値以上だと受診勧奨となるが、浜崎教授は「コレステロールを悪者にする説はもともと米国から来たもの。米国は心臓疾患や肥満が多く、体質が違う。不必要な人まで薬物治療の対象になる」と懸念している。
 同教授らは、コレステロールと死亡率に関する国内の疫学調査を検索し、「5000人以上を5年以上追跡」などの条件で5本の文献に絞り込み、延べ約17万3500人分を「メタ分析」という手法で解析した。』 (3月28日付時事通信)


【いよいよメタボ検診開始】

今月からいよいよ「特定健康診査・特定保健指導」、通称、「メタボ検診」あるいは「メタボ診断」が始まります。この新制度は現在の健康診断に腹囲測定を加えたもので、男性でウエストが85cm以上、または85cm未満でもBMIが25以上の人は、国から「メタボまたはその予備軍」の判定をされてしまいます。それだけならいいのですが、メタボな社員がいる場合、その企業は医師や保健師、管理栄養士などを通じて、生活習慣改善のための支援を行なうことが義務づけられることになり、サラリーマンにとっても企業にとってもメタボは自分達の健康状態が直接コストに跳ね返ることなったのです。

そのメタボ検診に引っかからないためにもコレステロール値を上げないことが重要だというのが、僕ら中高年の「常識」です。コレステロールが高いとリスクが高いといつも脅かされているのです。

そんな恐怖のコレステロール値が高いほうが死亡率が低いという今回の研究結果。いったい、僕達どうすりゃいいんでしょうか。

あまり、その時々の研究結果に惑わされないようにしないといけませんが、ついつい自分に都合のいいデータや研究結果に頼りたくなるのが人情ですね。みなさんはどっちを信じますか?

  



2008年04月03日

【満開の桜、関東が先】

今年は関東から東の方が九州よりも桜が満開になっています。

『関東地方は29日、さわやかな春の陽気に包まれ、絶好の花見日和になった。約1200本の桜がある東京都台東区の上野公園は早朝から花見客でにぎわった。東京の桜(ソメイヨシノ)は今月22日、全国で最も早く開花。27日に満開になってから初めての週末で、同公園管理所は29日の人出を14万―16万人と見込んでいる。』(3月29日付日経新聞)

【桜前線の異常】

例年であれば、「桜前線」は日本列島を南から北上するのが常識なのですが、今年は東京で真っ先に開花する一方で、九州の開花が全体的に遅れるなど、東日本と西日本の逆転現象が起きているのです。一体これはどういうことなのでしょうか。

福岡でも未だ桜は開花しはじめたばかりで、天気予報によると4月の第一週の週末あたりに満開になるのではとのこと。上野公園など東京での満開の桜をテレビで見ていて、何か例年にない違和感を感じました。

その理由について3月29日の毎日新聞が書いていました。

『開花が東と西で逆転した理由は、1年を通して温暖だからといって必ずしも早咲きになるとは限らない桜の特性にある。開花に不可欠なのは、冬の寒さとその後の気温上昇。桜の成長は秋になると止まり、冬季の一定期間、5度前後の気温にさらされると眠りから目覚める「休眠打破」という現象が起こる。春に向かう季節に気温が上昇するほど、開花が促される仕組みだ。

 しかし、この冬の西日本は寒さが必要な昨年11月から今年1月に気温が十分に下がらず、気温の上昇でつぼみが膨らむはずの2月の気温も平年より1度低かった。そのため、西日本の開花は遅めとなり、一方で気温の変動が比較的開花に支障をきたさなかった東日本から東北では早咲きが際立つ傾向となっている。特に盛岡では平年より9日も早く(4月14日)、予想通り開花すれば統計開始から5番目の早さとなる。』(3月29日付毎日新聞)


昨年に比べれば寒かった福岡の冬も、例年に比べればやや気温は高めだったのでしょうか。自然の営みは人知の及ぶところを超えていますので、どんなに気象予測が発達してもわからないことが多いですね。

気候変動が激しくなっている昨今、これからは桜前線も北から南という形が定着してしまうのかもしれません。みなさんの近くの桜は如何ですか。

  
タグ :桜前線満開



2008年04月02日

【ついに可決】

石原知事の責任追及も中途半端のまま、ついに都議会は追加出資を可決してしまった。

『東京都が経営危機に陥った「新銀行東京」(千代田区)に400億円を追加出資する08年度一般会計補正予算案が28日の都議会本会議で自民、公明両党の賛成多数で可決、成立した。

 補正予算案の採決は記名投票で行われ、都議125人のうち議長を除く122人が投票し、賛成67人、反対55人だった。自民の2議員が体調不良を理由に欠席した。

 補正予算には、都に銀行再建を確約させる自公提案の付帯決議が付いた。内容は▽さらなる追加出資は許されない▽今回の400億円を棄損させない▽経営の支援と監視を担う専門組織を設ける--の3項目。都はこれを受け、4月から産業労働局に金融監理室を新設し、新銀行の担当者を現行の7人から11人態勢に増強する。』(3月28日付毎日新聞)


【素人目にも明らかな愚】

これほど人を食ったような解決策を本当に東京都民は黙って見ていて大丈夫なのだろうか?答えは「否」だ。遠い福岡からメディアの報道だけで判断しても、金融の世界でこんなド素人にもわかるような愚行は初めてではないか?

この新銀行東京構想を当初石原知事にもちかけた大前研一氏が語っているように、もともとはこの銀行はコストが極めて少なくてすむバーチャル銀行として資金を集め、住宅ローン等の比較的安全性の高い運用を目指す構想でスタートとしようとしたのだが、様々な政治的な紆余曲折の末に石原知事の強烈な意思で「中小企業支援」と「ベンチャー融資」に特化することになったのだ。このときすでに新銀行東京の命運は尽きていた。

それほど中小企業支援やベンチャー融資に特化するということは、相当のノウハウのある銀行でも成功する確率が低いのだ。

案の定、1千億円近い累積赤字を積み上げた挙句の果ては、400億円もの追加出資という名の税金投入だ。

こうなると、石原知事の強力なリーダーシップは「独裁」に変わり、事実の隠蔽や責任逃れが蔓延することになる。強力故に誰も反対できず、イエスマンと裸の王様がどんどん組織を破滅に追いやることになるのだ。

【外部監査と情報開示で早く止血を】

400億円もの追加出資を決定した石原知事は、「(新銀行東京は東京)都の公共事業を請け負う企業への貸し付けを拡大するなど都の政策との連動も強化し、11年度の単年度黒字を目指す」(2月20日付朝日新聞)というウルトラCを考えているという。大前氏が書いているように、港湾、埋め立てなどを取り仕切っている港湾局のトップだった津島隆一を新銀行東京のトップにしたのも取引業者との関係を考えてのことと勘ぐられても仕方がないだろう。

しかし、取引業者に貸付を拡大するなどというのは東京都との力関係を考えれば、優越的地位の濫用、ひいては独占禁止法違反にまでつながりかなねい。

傷口をこれ以上広げないためにも、外部の監査を早急に入れて徹底的な情報開示と銀行そのものの早期撤収が望まれる。そしてこの官製銀行の暴走を止められるのは都民の声しかないと思うが、どうだろうか。

《参考》

・「第68回 東京都の銀行、巨大赤字の真相」(BP net Safety Japan 2007/3/7 大前研一氏のコラム)

・「 第119回 いよいよ瀬戸際、新銀行東京」(BP net Safety Japan 2008/3/12 大前研一氏のコラム)
  




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