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2011年10月03日

【最終報告】

第三者委員会は市民の側に立ったいい仕事をしたと思います。

『九州電力の「やらせメール」問題などを検証している九電の第三者委員会(委員長・郷原信郎弁護士)は30日、東京で第5回会合を開いて調査の最終報告書をまとめ、九電に提出した。第三者委は、原発再稼働をめぐる県民説明番組やプルサーマル導入の公開討論会で、古川康佐賀県知事の意向に沿って九電が社員らにやらせの意見投稿を指示し、質問者を仕込んだと認定。「賛成の民意を作り出す手段」として県や九電が計画を推進するために綿密に連携したと結論づけた。

 同日記者会見した郷原委員長は「事前了解を行う立場の知事の要請に応える意図で行われ、世論が作り上げられた」と批判した。

 第三者委は、2005年12月の公開討論会が「やらせメール」問題の原型だったと分析。公開討論会では、反対意見ばかりに偏らないことを望んでいた知事の意向に沿って、「動員や台本作成が県と九電の綿密な連携協力で行われ、県も『仕込み質問』を容認した」と指摘した。古川知事の関与については「把握していた」との直接的な証拠はないが、「全く気づかなかったとは考えにくい」と知事が認識していた可能性に言及した。

 やらせメール問題でも同様の構図があるとし、古川知事が九電幹部にメール投稿を要請していた九電作成のメモについて、「同趣旨の発言を行った」と認定。「知事発言が決定的な影響を与え、九電が動いた」と断定した。その上で、一連のやらせメールや仕込み質問は「経営トップと古川知事の間に何らかの意思疎通があったと見るのが合理的で、社員はトップの方針に沿った」との認識を示した。

 問題の本質として、九電と佐賀県の不透明な関係や、福島原発事故後の環境変化に対応できなかった九電の体質を指摘。知事や県の関与を否定し続ける真部利応(まなべとしお)社長を批判し、「知事との関係の真相を明らかにせず、逆に妨害して信頼失墜を一層深刻にした」と強調。責任は実行した社員ではなく、「経営トップにある」と非難した。

 再発防止や信頼回復への提言として▽消費者との直接対話による企業活動の透明化▽原発立地自治体の首長との不透明な関係の根絶▽原子力部門の社内監視組織の設置-などを挙げ、知事らへの政治献金やパーティー券購入などを一切しないことなどを求めた。』(10月1日付西日本新聞)


【合理性のある結論】

報告書を全文読んだわけではありませんが、やらせメール問題発覚から今までの第三者委員会の調査の状況、郷原委員長の会見、九電側と佐賀県知事の対応を客観的に眺めていると最終報告書の結論は概ね事実に沿ったものであるとわかります。

そもそも経産省からの指示があったとはいえ、九電は自らの姿勢を正す目的で第三者委員会を設置したのではなかったでしょうか。その委員会が自分たちの予想していた結論とは違ったからといって経営トップが最終報告に対する会見を開かないとか、副社長が報告書の修正もありうるなどと言うのは、報告書の結論が正しいと間接的に認めるのと同じことではないでしょうか。こんなことで市民の目をごまかせると考えているとしたらフクシマの核惨事を経ても会社の安全に対する姿勢や今までの企業の体質を変えることは不可能でしょう。公益企業という名に恥じる行為であり、社内のコンプライアンス以前の問題です。

【問題は原子力ムラの体質】

それにしてもプルサーマルの導入という周辺地域住民だけでなく、僕らの故郷・福岡、九州、もっといえば日本全体の安全にかかわる重大な問題について株主総会と同じシャンシャンで結論づけようとしていたというのは、疑念は持っていましたが弁護士の委員会に突き付けられては本当に怒りを覚えます。これは同じような手口で市民をだましながら原子力を推進してきた他の電力会社や国、そして利権がらみの政治家たちが原子力を何がなんでも推進するために堂々とやっていたということのひとつの証明です。

したがって、九電だけでなく全国の電力会社、経産省の役人、政治家、原子力を擁護する学者、原子力産業といった原子力ムラの人間たちはこの第三者委員会の最終報告を自分たちの問題として真剣に受け止め、原子力ムラの強引な推進体制、隠ぺい体質を深く反省し、すべてをゼロベースに戻してすべての情報を公開して原発のない社会に向けた出直しをすべきです。この期に及んでまた隠ぺいや現状維持を図るならば、第二のフクシマの核惨事を招き、日本だけでなく世界を緊急事態に陥れるのは必定でしょう。  




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海や山、自然が好きな九州男児です。あらゆる機会をとらえて、時代の変化をいつも感じていたいと思っています。
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