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2007年09月06日

【国家が水没する?】

地球温暖化による海面上昇の脅威が現実に迫っている国がある。太平洋の真ん中に位置するキリバス共和国だ。

『地球温暖化に伴う海面上昇により、国土が水没の危機にひんしている太平洋の島国キリバスのアノテ・トン大統領(55)は本紙と会見し、「我が国は早晩、海に沈むだろう」と明言。

 国家水没を前提とした上で、国民の脱出を職業訓練などの形で側面支援するよう、日本など先進各国に要請した。

 首都タラワの大統領官邸で、30日、インタビューに応じたトン大統領は、キリバスの水没は不可避との見方を強調、「小さな我が国には海面上昇を防ぐ手だてなどなく、どうしようもない」と述べた。国際社会の取り組みについても、「温暖化は進んでおり、国際社会が(2013年以降のポスト京都議定書の枠組みなどで)今後、どんな決定をしても、もはや手遅れだ」と明確に悲観論を展開した。』(9月1日付読売新聞)


【沈みゆく楽園】

赤道付近に位置するキリバス共和国は、国土の最高地点でさえ海抜4mを超えない平らな国。そこには椰子の木やサンゴ礁に囲まれた地上の楽園がある。

しかし、そこに住む人々はすでに海面上昇による様々な影響を受けている。たとえば食べ物。主食であるタロイモは苗床に海水が侵入して甚大な被害を受け、パンの木やバナナも塩の影響で成長を阻まれているし、水温の上昇によってサンゴ礁が傷つき、唯一のタンパク摂取源である魚にいたっても生態系の変化が影響を及ぼしている。(COURRiER Japon + hitomediaの7月12日の記事から引用)

日々の生活が蝕まれているにもかかわらず、キリバスの人達は大自然の巨大な力の前になす術もないというのが実情なのだ。すでに10万人ほどの国民のうち、3000人がニュージーランドに移住したという。

【今そこにある危機】

地球温暖化の真偽については、ゴア氏の「不都合な真実」だけでなくIPCCの報告やG8での取り組みが真剣に取りざたされる一方で、未だに根強い懐疑論も存在する。またその懐疑論もCO2の排出が本当に温暖化の影響なのかとか、本当は地球は寒冷化しているとか、多岐に亘っている。しかし、それらの懐疑論者達は、「では現実に起こっている危機的な事態を回避するにはどうしたらいいのか」という視点、解決策は示していないことが多い。
キリバス共和国はまさに地球温暖化による危機が今そこに迫っている地域なのだ。一体懐疑論者はこの事実をどう解釈し、この事態をどう解決したらいいと考えているのだろうか?

現実に世界中で起こっている巨大な異常現象をすべて解明するまで待っていては、キリバスのような悲劇に対処していくことは出来ない。これから起こりつつあることに対する想像力を持って、ある程度不完全ではあっても解明されつつある科学的論拠のもとででも、勇気ある行動が求められているのではないだろうか?

批判のための批判の時期はもう過ぎていると思うがどうだろうか?  



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海や山、自然が好きな九州男児です。あらゆる機会をとらえて、時代の変化をいつも感じていたいと思っています。
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